Music of Frontier

相変わらずニュースは、俺の事件のことを話していた。

エルーシアは、それをうんざりした顔で眺めながら。

「なんつーか…ルトリーヌも相当アレな人生送ってるよなぁ」

と、呟いた。

相当アレな人生…かなりぼかしてはいるが、言いたいことは伝わる。

「本当にな…」

「何でルトリアだけそんな目に遭うかな…。何も悪いことしてないのに」

「…皆、少なからず人生色々あるものだよ。ルトリアに限らず…」

「それはまぁそうなんだけどさ。…俺だって、ルトリアほどじゃないけど、色々あったし」

俺は、ミヤノやエルーシア達がどんな人生を歩んできたのか知らない。

知らないけど、何事もなく安穏と生きてきた訳じゃないことくらいは分かる。

「それにしたってルトリアだけ過酷過ぎるだろ」

「…そうだなー…」

「…ルトリーヌ、戻ってくんのかね?」

「…」

…ミヤノも、ベーシュさんも。

口にはしないが、エルーシアと同じことを心配していた。

ルトリアは、ちゃんと戻ってくるのかと。