Music of Frontier

その頃、帝国騎士官学校は、不祥事が相次いでいた。

帝国騎士官学校の生徒が万引きをしたとか、帝国騎士官学校の卒業生が女性に猥褻行為を働いたとかいう、小さな不祥事が続き。

更に、一番大きかったのが、その頃世間を賑わせた、ローゼリア女王暗殺未遂事件だった。

このセンセーショナルな事件は、連日テレビや新聞を賑わせた。

女王を暗殺しようとした犯人は、帝国騎士官学校の主席卒業生で、帝国騎士団の隊長だったらしい。

報道規制があったから、この事件については俺も詳しく知らないが。

相次ぐ帝国騎士官学校関係者の不祥事を、メディアは大袈裟に報道した。

そんな報道を見れば、国民達は学校に不信感を抱く。

当然、帝国騎士団に対しても、だ。

女王暗殺未遂事件を起こした犯人は、俺達の通う第二帝国騎士官学校じゃなくて、第一校の卒業生だったけど。

第二だろうが第一だろうが、帝国騎士官学校であることには変わりない。

うちの学校も、非難の矢面に立たされていた。

おまけに、タイミングの悪いことに、その頃俺達の通う第二帝国騎士官学校の先輩の一人が、いかがわしい店に出入りしていたとして補導されるという事件が起きた。

これだけ立て続けに不祥事が起きれば、当然ながら国民達も、「帝国騎士官学校はどうなってるんだ」と非難する。

この頃、毎日のように記者やカメラマンが学校に押し掛けてきて、教官達は対応に追われていた。







その事件が起きたのは、四年生の中頃。

翌週に控えた学校行事の、準備をしていたときだった。