Music of Frontier

…素直じゃないなぁ。

俺は、思わず泣きそうになってしまった。

「…あいつには言うなよ」

ベーシュさんのお父様は、ぼそっ、とそう言った。

知られたって良いじゃないか。本当に素直じゃない。

でも、それがベーシュさんのお父様なりの…優しさか。

「…ライブ…観に来られたこと、あります?」

「…いや。顔を会わせることになるかもしれないと思ってな」

「じゃあ、今度ライブのチケット、お譲りします。全国ツアー始まるの、ご存知ですよね?…是非観に来てください」

「…良いのか?」

「えぇ。…ベーシュさんも、きっと喜ぶと思います」

仲直りした、今なら。

是非その目で見て欲しい。ベーシュさんの今の姿を。

この様子では、動画もラジオも視聴してくれているのだろうけど。

やっぱり、その目でじかに見て、聴いて欲しい。

「…そうか。礼を言う」

「いいえ…どういたしまして」

ベーシュさん親子だけでも。

仲直り出来て良かった。本当に。

このまま、もとの仲良し親子にもどっ…、

「…それはそうとして、お前、本当にベーシュの彼氏じゃないんだな?」

「ぶはっ。ち、違いますよ!俺は、俺は潔白です!」

「本当だろうな…。もし嘘だったら、あることないこと週刊誌にタレ込むぞ」

「か、勘弁してください…」

洒落になってませんから。それ。