Music of Frontier

─────…俺が、光の世界で生きているのかどうかはさておき。


俺は、自分の過去は最早、自分だけのものだと思っていた。

自分と…あとはルクシーだけのものだと。

過去は過ぎ去った時間の中に葬り去られ、再び陽の目を見ることは決してないと。

それが正しかった。今更過去が明らかになっても、誰一人救われはしない。

俺自身、もう過去に囚われるつもりはなかった。現状に満足していた。今この日常は、俺にとって幸せだったから。

過去には蓋をして、鍵をかけて、そして前を…未来を向いて生きていくつもりだった。

今の俺には、それが出来た。

ルクシーが、仲間がいてくれるから。

俺達を応援してくれる、数多くの顔も名前も知らないファンの皆がいてくれるから。

俺はもう、孤独ではない。

だから、何も恐れるべきものはない。




…その、はずだった。