Music of Frontier

ルレイアのときのことで、いい加減帝国騎士団も学習しただろう。

「また俺達がバラしてやっても良いんですけどね~。奴らのゲロ顔を見るのは楽しそうだし。でも、今回はさせてくれないでしょうね」

「オルタンスだって、それくらい分かってるだろうからね。私達にバラされて痛手を負うくらいなら、自分から暴露した方が傷は浅くて済む」

「まぁ…そうなるだろうな」

オルタンスも馬鹿じゃない。

帝国騎士団も一枚岩じゃないから、反対する者もいるだろうが…アドルファスやオルタンスが、一喝してくれるはずだ。

「また恥を晒すつもりか?」と。

アイズの言う通り…遅かれ早かれ、全国民が知ることになるだろう。

第二帝国騎士官学校で起きた、悲惨な事件のことを。

「…大丈夫か?ルレイア」

「大丈夫ですよ?俺は」

嫌なことを思い出させただろうと、ルレイアを気遣ったが。

彼は自分のことよりも、

「…その、退学させられた子、まだ生きてるんですかね?」

…そちらの方が、気になるようだ。

「…どうだろうな」

もしその子が、自殺でもしていたら…その理事長や学園長が首を切られるだけじゃ済まないと思うが。

「もし生きて、会うことがあったら…。お酒でも奢ってあげたいですね」

「…全くだ」

願わくば…その子が、闇に堕ちることなく。

光の世界に生きていてくれたら…。