Music of Frontier

ルクシーと会った後、俺は姉に相談してみた。

ずっと黙っていた、寮での先輩からのいじめのこと。

友達だと思っていた人にもそっぽを向かれ、一人ぼっちで孤立していること。

こんな情けないこと、話したくはなかった。

でも、最早一人だけで耐えられる限界を迎えつつあった。

姉に何も出来なくても構わない。ただせめて、ルクシーのように…励まして欲しかった。

頑張ってるんだって、認めてもらいたかった。

それだけでまた頑張れるようになると思ったから。

でも。





「…」

姉さんは俺の話を聞いて、露骨に顔をしかめていた。

何と言われるのかと、俺は俯いていたが…。

姉の第一声は、問いかけだった。

「…いじめ、だと?」

「…はい」

自分がいじめられていることを認めるのは辛い。

しかも大好きな姉の前で。

酷く堕落させられた気分だった。

何て言うだろうな、と…俺は考えた。

腫れ物に触るような態度を取られるのだろうか。それは、嫌だな…。

「…それで、お前は…それを言い訳にするのか」

「…え?」

全く、予想外だった。

そんな風に言われるなんて、思ってもみなかった。

「寝言を聞くつもりはない。やる気がないなら学校なんてやめろ。いつまでも子供扱いをしてもらえると思うな」

…姉の言葉が、ぐさぐさと胸に突き刺さってくるようだった。

いや、姉さん。俺まだ子供ですから。

子供扱いしてもらわないと困るんですが。

「お前には失望した」

姉はそう吐き捨てて、俺を残して部屋を出ていった。