Music of Frontier

ユーリアナさんの言う通り。

何でもかんでも、一人で背負い込もうとするのは俺の悪い癖。

だから俺は、ルクシーに相談することにした。

何故ルクシーだけかと言うと、メンバーの中で俺の出自を知っているのは彼だけだからである。





帰宅するなり、俺はルクシーの部屋を訪ねた。

「…ルクシー…ちょっと良いですか?」

「うん?」

良かった。ルクシー起きてた。

「実はルクシーに相談が…」

「ほう。ようやく相談する気になったか」

…ようやくって。

「何ですか、その言い方…」

「いつもそうだろ?お前は自分の悩みを人に言わないじゃないか。何でも俺に一緒に背負わせろって言ってるのに、ちゃんと話しに来た試しがないじゃないか」

「…」

…意地悪。

そう言われちゃ、何も言い返せないじゃないか。

俺だって、黙ってたくて黙ってるんじゃないんだからな?ルクシーに心配や迷惑をかけたくないからと…。

…でも、黙ってる方がむしろ、心配をかけてるんだよな。

「今回はちゃんと相談しに来たな。偉いぞルトリア。成長したな」

「偉いぞって…。俺は犬ですか」

「良いから、ほら。何でも言ってみろ。何があった?」

「…それが…」

俺は、数週間前にマグノリア家の両親から手紙を受け取ったことと。

その手紙を処分してもらっていたら、今度は電話攻撃をされるようになったことを、ルクシーに説明した。