Music of Frontier

まったく馬鹿馬鹿しい。

やめろって言って、俺がやめるとでも思っているのだろうか?

思ってるんだろうな。貴族の子女にとって、親の言うことは絶対だった。

俺がかつて、帝国騎士になる以外、将来の選択肢を一切与えられなかったのは良い例だ。

今でもあの人達は、命じれば俺が言うことを聞くと思っている。

馬鹿なんじゃないかな。

自分が追い出した息子が、何で言うことを聞くと思う?

あの人達がどれだけ低俗だ何だと罵倒しようが、俺はこの仕事を誇りに思っている。

マグノリア家の恥さらしと言って床に叩きつけているその雑誌だって。

発売前からずっと楽しみにしてくれて、発売日に本屋に並んで手に入れ、大事に保管してくれている人がいる。

動画だってそう。新しい動画が投稿されていないか毎日チェックして、もし新しい動画がアップされていたら、喜んで再生してくれる人がいる。

お気に入りの動画を開き、一緒に口ずさみながら聴いてくれる人がいる。

俺達のラジオを楽しみに、夜中まで起きて待っていてくれる人がいる。

顔も名前も分からないけど。俺達のことを「大好き」と言ってくれる人がいる。

それがどれだけ素晴らしいことか、あの人達には分かるまい。

自分を待っていてくれる人がいることが、どれだけ嬉しいことか、あの人達には分かるまい。

それを、恥さらしだとか。下らないからやめろとか。

「…下らないのは、どっちですか」

彼らにしてみれば、帝国騎士以外の職業は、皆低俗なのだ。

俺も、昔はそう思っていた。無意識のうちに、そう思い込むように育てられていた。

だけど、今はそうは思わない。

本当に低俗なのは、よく知りもしないことを「低俗だ」と決めつけて目を逸らす、その行為だ。

だから、俺は両親の言うことには従わない。

いずれにしても、俺は今やマグノリア家の人間ではないし、彼らの援助も受けていない。言うことを聞く義理はないのだ。