それから、俺がどうなったか。
時間が色々な問題を解決してくれるのではないか、と淡い期待を抱いてはいたが。
生憎ながら、そんな俺の考えは甘かったようで。
二年生が終わる頃になっても、状況は何も変わらなかった。
それどころか、悪化の一途を辿っていた。
最初俺がカンニングを疑われていたのは、あのとき受けたアシスファルト語の試験のみだった。
しかし、噂が噂を呼び…その噂がまた人伝に広まり、尾ひれがついて、今では俺は入学試験までカンニングして受かった、と言われていた。
最早完全にカンニング魔だ。
お陰で俺がどんなに頑張って勉強して、試験で良い点数を取ろうとも。
クラスメイトからは、「どうせあいつはカンニングだ」と言われるわ。
教官の方も、それを真に受けているらしく…成績は酷いものだった。
試験の点数は良いのに、成績表は五段階評価の2とか3ばかり。酷い話だ。
そのせいで両親は相変わらず怒髪天だし、姉は姉で、「堂々と構えていれば良い」なんて言っておきながら、俺の酷い成績表を見て、険しい顔をしていた。
エミスキーとラトベルは、もう俺に話しかけてくることはなかった。
俺も彼らに話しかけることはもうなくなった。
二人は俺を見捨てて、別のグループに入ってしまっていたから。
最初は二人共、時折俺と目が合うと、後ろめたそうな顔をしていたけれど。
今では俺に対する罪悪感も薄れたのか、そんな様子もなくなった。
イーリアも似たようなもので、俺のことを徹底的に避け、俺の存在をなかったことにしていた。
一方で、ルームメイトの先輩達は、クラスメイトとは対照的に、俺に構いたくて仕方ないらしかった。
放っておいてくれれば良いのに、毎日毎日、陰湿な嫌がらせばかりを思い付いては俺に試すのだ。
以前は小学生じみた嫌がらせが大半だったが、最近は嫌がらせも随分上手くなり、酷く狡猾なものが増えてきていた。
あれだけ来れば、もう嫌がらせとは呼べないな。
単なるいじめだ。
かろうじてまだ、殴る蹴るの直接的な暴力こそなかったけど。
遠からず、暴力も加わるんじゃないかと思う。
だって、止める人なんて誰もいないのだから。エスカレートするしかない。
そんな状態がずっと続き、三年生の中頃には、さすがの俺も憔悴しきっていた。
…先輩達が卒業するまで耐えれば良い、と思っていたけど。
でもこのままじゃ、先輩が卒業する前に俺の方が参ってしまいそうだった。
先輩は俺をいじめ抜いて、学校にいられなくしてやろうとしていた。
もういっそ俺の方が折れて、退学してやろうかとさえ思った。
でも、ここで俺が折れてしまったら、俺の負けになる。
先輩達をみすみす勝たせるのは、癪だった。
最早意地だった。意地の張り合いだった。
俺だってこんな下らない勝負はしたくなかったから、それとなく教官や、寮母さんに相談してみたりもした。
ルームメイトの先輩達に嫌がらせを受けてる、と。
しかし、俺がカンニング犯の疑いをかけられていることは、今や誰もが知るところだった。
その為、俺がいくら窮状を訴えようと、まるで相手にはしてくれなかった。
俺はすっかり、社会的信用というものを失ってしまったらしい。
…何もしてないのにな、俺は。
何で、こんな目に遭わなければならないのか。
たった一人で孤軍奮闘する俺は、圧倒的に不利な立場だった。毎日神経をすり減らし、心労が募っていった。
時間が色々な問題を解決してくれるのではないか、と淡い期待を抱いてはいたが。
生憎ながら、そんな俺の考えは甘かったようで。
二年生が終わる頃になっても、状況は何も変わらなかった。
それどころか、悪化の一途を辿っていた。
最初俺がカンニングを疑われていたのは、あのとき受けたアシスファルト語の試験のみだった。
しかし、噂が噂を呼び…その噂がまた人伝に広まり、尾ひれがついて、今では俺は入学試験までカンニングして受かった、と言われていた。
最早完全にカンニング魔だ。
お陰で俺がどんなに頑張って勉強して、試験で良い点数を取ろうとも。
クラスメイトからは、「どうせあいつはカンニングだ」と言われるわ。
教官の方も、それを真に受けているらしく…成績は酷いものだった。
試験の点数は良いのに、成績表は五段階評価の2とか3ばかり。酷い話だ。
そのせいで両親は相変わらず怒髪天だし、姉は姉で、「堂々と構えていれば良い」なんて言っておきながら、俺の酷い成績表を見て、険しい顔をしていた。
エミスキーとラトベルは、もう俺に話しかけてくることはなかった。
俺も彼らに話しかけることはもうなくなった。
二人は俺を見捨てて、別のグループに入ってしまっていたから。
最初は二人共、時折俺と目が合うと、後ろめたそうな顔をしていたけれど。
今では俺に対する罪悪感も薄れたのか、そんな様子もなくなった。
イーリアも似たようなもので、俺のことを徹底的に避け、俺の存在をなかったことにしていた。
一方で、ルームメイトの先輩達は、クラスメイトとは対照的に、俺に構いたくて仕方ないらしかった。
放っておいてくれれば良いのに、毎日毎日、陰湿な嫌がらせばかりを思い付いては俺に試すのだ。
以前は小学生じみた嫌がらせが大半だったが、最近は嫌がらせも随分上手くなり、酷く狡猾なものが増えてきていた。
あれだけ来れば、もう嫌がらせとは呼べないな。
単なるいじめだ。
かろうじてまだ、殴る蹴るの直接的な暴力こそなかったけど。
遠からず、暴力も加わるんじゃないかと思う。
だって、止める人なんて誰もいないのだから。エスカレートするしかない。
そんな状態がずっと続き、三年生の中頃には、さすがの俺も憔悴しきっていた。
…先輩達が卒業するまで耐えれば良い、と思っていたけど。
でもこのままじゃ、先輩が卒業する前に俺の方が参ってしまいそうだった。
先輩は俺をいじめ抜いて、学校にいられなくしてやろうとしていた。
もういっそ俺の方が折れて、退学してやろうかとさえ思った。
でも、ここで俺が折れてしまったら、俺の負けになる。
先輩達をみすみす勝たせるのは、癪だった。
最早意地だった。意地の張り合いだった。
俺だってこんな下らない勝負はしたくなかったから、それとなく教官や、寮母さんに相談してみたりもした。
ルームメイトの先輩達に嫌がらせを受けてる、と。
しかし、俺がカンニング犯の疑いをかけられていることは、今や誰もが知るところだった。
その為、俺がいくら窮状を訴えようと、まるで相手にはしてくれなかった。
俺はすっかり、社会的信用というものを失ってしまったらしい。
…何もしてないのにな、俺は。
何で、こんな目に遭わなければならないのか。
たった一人で孤軍奮闘する俺は、圧倒的に不利な立場だった。毎日神経をすり減らし、心労が募っていった。


