Music of Frontier

「本当に大丈夫ですから。心配要りませんよ」

「…」

心配…するなって言ってるのに。

ルクシーの、この疑り深い顔。

信用ないなぁ…。俺のせいなんだけど…。

「…よく分からないけど…。…ルトリア、何か事情があるんだな?」

俺とルクシーのやり取りで、ミヤノは何かを察したようだった。

「えぇ…まぁ、そんなもんです」

「そうか…。深くは聞かないが…。不安があるなら、やめても良いんだぞ。お前に無理させてまで、仕事を受ける必要はない」

ミヤノは、きっぱりとそう言った。

…優しいなぁ。

エルーシアとベーシュさんも、ミヤノに同意するように頷いた。

そして、ユーリアナさんも。

「…ごめんなさい。私、はしゃぎ過ぎましたね。断ることも出来ますから、今は無理しないでください。ルトリアさん」

「ありがとうございます」

その気遣いは嬉しいけど。

でも。

「俺は大丈夫だから、やりましょう」

「…無理してないだろうな?今無理して、本番で倒れられたら洒落にならんぞ?」

「分かってますって。本当に無理してないので大丈夫です」

皆心配し過ぎ。

「…分かった。じゃあ…受けようか」

「…はい。では、そのように」

ミヤノが決定し、ユーリアナさんも頷いた。

…これで良い。

これで良いんだ。

「…ルトリア…」

ルクシーは、何か言いたそうに俺を見ていた。