Music of Frontier

「…好きなタイプ…それやっぱり聞かなきゃいけません?」

「えぇ。皆さん気になってることだと思うので」

「そうですか…」

皆気になってるのか。そんなことが。

さっきまで、良い感じに真面目な質問だったのに。

一気に世俗的になったな。

あまり答えたくない質問ではあるが、これも仕事だ。仕方ない。

真面目に答えるか。

「まず、年上か年下かだとどちらが?」

「年…いえ、俺は年上でも年下でも対象ですが…。好きな人なら良いですよ。年なんて」

気にしないよ。

「プラマイ何歳までアリですか?」

「プラマイ…?プラスは何歳でも良いですが、マイナスはあまり離れるとロリ疑惑が浮上するので、下は10歳くらいが限度ですかね」

…って、俺何言ってんの?

「…ちょっと今の発言恥ずかしいんで、カットしてください」

「うふふ。やっぱり純情なんですねルトリアさんは」

うふふって何ですか。

カットしてよ。え?そこ掲載するつもり?

「じゃあ、恋人にするならどんな子が良いですか?」

「どんな…と言うと?」

「顔重視ですか?それとも性格?」

「あぁ。顔は気にしませんよ別に」

選り好み出来るほど偉くなったつもりはないからね。

顔で相手を選ぶには、先日見た黒ずくめさんくらいにならないと。

「俺は真面目な人が好きですね。真面目で、あと正直…素直な人が良いです」

「素直ですか?嘘をつかない人?」

「そうですね。嘘つかない人好きですね。あ、それと出来れば…出来ればで良いんですけど、料理が得意が人だったら嬉しいです」

「家庭的な女性が好みなんですか?」

家庭的な…と言うか。

別に家庭的である必要はないのだが。

「いや、俺料理出来ないんで…。素パスタくらいしかまともに作れないんで…。向こうも気にせず、一緒に素パスタ食べてくれる人なら良いんですが…」

そうじゃなかったら、大変申し訳ないので。

え?何コイツ…。素パスタ食ってる…。とドン引きされるのが怖い。

「でも、人に頼るのは良くないですね。そのときは俺も料理勉強します」

「そうですか。…ちなみに、好きな料理は何ですか?どんな料理を作ってくれたら嬉しいです?」

恋人に作って欲しい料理?

何だかおこがましいような。