Music of Frontier

「…ねぇ、ルクシー」

「うん?」

俺は散歩から帰って、ルクシーに話しかけた。

「俺、今までずっと、帝国騎士になれなかったことが悔しくて、惜しくて…自分のこと、帝国騎士になれなかった負け犬だと思ってましたけど…」

でも、その考えはもう捨てる。

そうじゃないってことが分かったから。

「今は、帝国騎士じゃなくて良かったと思ってます。もっと…ずっと素敵なものになれましたから」

大好きな仲間達に囲まれて。たくさんのファンもいて。

何より、俺は…今、幸せだ。

それ以上に大事なことが、あるだろうか。

「…そうか。それは…良かった」

ルクシーは、心底ホッとしたようにそう言った。