Music of Frontier

それどころか。

ルクシーは俺を責めるどころか、俺を嵌めやがった先輩とクラスメイトに、酷く苛立っていた。

「ルトリアが試験でカンニングなんかするもんか。信じる教官もどうかしてるぞ」

「あはは…。ありがとうございます」

「笑い事じゃないぞ、ルトリア。お前の両親は何て言ってるんだ?」

うちの両親?

うちの両親が、せめてルクシーの半分でも、俺のことを信じてくれてたらなぁ。

もう少し元気が出ただろうに。

「両親は俺のカンニング疑惑を信じきってるみたいですよ」

何せ、教官から直々にそう連絡があったんだもんな。

いくら俺が「やってない」と言っても、全く信用しない。

「馬鹿じゃないのか。ルトリアはそんなことする人間じゃないだろ」

「…ルクシー、あなた怒ってるんですか?」

「怒ってるよ。当たり前だ」

そうか。ルクシーがこんなに怒ってるところは、初めて見たかもしれない。

ルクシーって怒るんだなって思った。

「大体、先輩とクラスメイトが『ルトリアはカンニングした』って言い触らしただけで、教官はそれを信じるのか?」

「…信じたみたいですね。俺の言い分は全然聞いてくれませんでしたし」

「…不公平じゃないか、そんなの」

うん。俺もそう思う。

そう思うけど、でも駄目なのだ。

あの学校は、教官や先輩の言うことが絶対だから。

俺の学校での様子なんて全く知らないルクシーは、俺のことを信じてくれてるのに。

学校で俺がどんなに真面目に頑張ってるか、間近に見ている人ほど、俺を信じてくれない。