Music of Frontier

「…」

…何だろうか。これは。

解雇通知にしては、形状がおかしいような…。

「これは…?」

紙袋の中には、タンブラーが一本。

そして、タッパーが一つ。

更に、小さな瓶も入っていた。

なんか…このタンブラー、見覚えがあるんだけど…。

「ファルネフレット家の激酸っぱジュースNEOと、レモンの激酸っぱジュース漬け。それから、世界一酸っぱいと言われる梅肉の瓶詰めを持ってきたの」

「…」

「これを食べたら、きっとルトリアも元気が出ると思って」

…タンブラーを見た時点で、何となく察しはついてたけど。

…とりあえず、NEOって何?

想像しただけで、顔が「(゚ж゚)」こんなんなりそうなんだけど。

「…」

俺が絶句していると、ベーシュさんは困ったように、

「…ルトリア、駄目かもしれない。激酸っぱジュース要らないって」

「そりゃ要らねぇだろ。エルも要らねぇもん」

「食べないのが問題なんだからさ…。余計食べられそうにないものを渡してどうするんだよ…」

「何で?むしろ、『どれくらい酸っぱいんだろう?』って、試しに食べてみたくならない?意外とハマるかもしれないのに…」

「成程。一理あ…いや、ないよ。酸っぱいのやだもん」

…皆、一体何の話をしてるんだろう。

と言うか、解雇通知は?もうお前はやめてくれ、って言いに来たんじゃないのか?

皆して、プリンとかケーキとか、激酸っぱジュースとか…。

…はっきり、言ってくれれば良いのに。

「…皆…俺に、文句言いに来たんじゃないんですか?」

「…ふぉ?」

「…は?」

「…?」

ミヤノも、エルーシアもベーシュさんも。

きょとん、と首を傾げた。