Music of Frontier

…そんな訳で。





「…ごめんなさい。またしばらくお世話になります…」

摂食障害が落ち着くまで、俺はまたエルフリィ家にお邪魔することになった。

もうそうするしかない。俺の生活は、しばらくルクシーに管理されることになったのだから。

…情けない。

「全く世話のかかる奴だ」と、言われても何も言い返す言葉がない。

けれども、ルクシーのお母様は相変わらず優しかった。

「あらあら、良いのよ。あなたがいてくれた方が賑やかだし、それにルクシーも喜ぶから」

彼女はにこにことそう言ってくれた。

…本当に、申し訳ない。

いっそ罵倒してくれた方が気が楽なくらいだ。

それなのに。

「ゆっくりしていってちょうだい。あなたはもう、私の息子も同然なんだから。遠慮しないでね」

…なんて、優しいことを言ってくれた。

「…ありがとうございます」

…うちの…マグノリア家の母だったら、何て言うか。

俺がこんな病気になったと知れば、容赦なく「情けない。みっともない」と言うはずだ。

そして、俺を世間の目に晒さないよう、家の中に閉じ込めるだろう。

あの人は、そういう人だ。

同じ母親という生き物なのに…どうしてこうも違うのか。

そう思うと、余計に自分が惨めだった。

優しくされればされるほど、申し訳なくて涙が出そうになった。




しかし、それだけではなかった。