Music of Frontier

「る、る、ルクシー…?」

だ、大丈夫だろうか?

こんなに怒ってるの、初めて見た。

「お前の病気が悪くなるのと、『frontier』が駄目になるの、どちらがマシかなんて、考えるまでもないだろうが!そんなことで駄目になるのなら、駄目になってしまえば良いんだ!」

「え、えぇ…っ!?」

「比べられるかそんなもん!お前の方が百倍、いや千倍、万倍大事に決まってるだろ!ふざけんなこの馬鹿!」

物凄く怒られた。

殴られるかと思った。殴られても仕方ないとは思うが。

「ミヤノ達が文句を言ってきたら、俺が全部代わってやる!メンバーの具合が悪いっていうのに、世間体気にして病院行くなって言うような仲間なら、こっちから縁を切ってやるよ!」

しかも、そんな恐ろしいことを口走ってる。

「る、ルクシーちょっと落ち着いてください。そんな興奮しないで」

「落ち着けるか馬鹿!良いから行くぞ病院に!『frontier』の未来より、お前の身体の方が大事に決まってるだろ馬鹿!天秤にかける方が間違ってんだよ!」

何回馬鹿って言われた?

物凄く怒ってるから、馬鹿って言わないでくださいよ、とも言えない。

「お前が行かないって言うんなら、宣言通りふん縛って連れてくからな。栄養不足の今のお前なんか、怖くも何ともない!気絶させられてから縛られるのと、縛られてから気絶させられるの、どちらが良いか選べ!」

「え、えっと…。どっちも嫌なので…大人しく病院行くから、縛るのも気絶もやめてください」

「…本当にちゃんと行くんだな?ついていくぞ俺も」

全く信用されてない。

「分かりましたよ…。むしろ、ルクシーがついてきてくれなきゃ不安なので…」

「よし、良いだろう。ついていってやる」

はい、お願いします。

俺が病院に行くことを了承した為、ようやくルクシー火山の噴火が収まった。