Music of Frontier

──────…近頃のルトリアの変化を、俺は気づいていない訳ではなかった、





こう見えて俺は、ルトリアと一番長く付き合ってきた人間なのだ。

ルトリアのことなら、あいつの薄情な家族よりもよく知っている自信がある。

だから、ここ最近のルトリアの様子がおかしいことに、俺はすぐに気がついた。

…気がついたけれど、いつ、どのタイミングで、誰に指摘すれば良いのか。

それは悩ましいところだった。

とにかく、このままで良い訳がないので、何とかしなければならない。

俺はあくまで、仲間達には何も言わないつもりだった。

俺と、ルトリアだけで解決するつもりだった。

余計なことを相談すれば、あいつらを心配させてしまうのは明白だったから。

心配をかけたくはなかった。だから、黙っているつもりだった。

しかし、そうは行かなかった。

彼らは、俺が思っているよりずっと…ルトリアのことをよく見ていた。