一番始めのきっかけは、ユーリアナさんが持ってきた、『frontier』初の大仕事だった。
「皆さん、朗報ですよ!ルティス帝国五都市で、全国ツアーが決まりました!」
いつになく興奮したユーリアナさんが、鼻息荒くそう言ったとき。
俺は、思わずぽかんとしてしまった。
…何だって。
「うぉー!マジか!やったな!」
「あぁ。凄いことだぞ、これは」
間抜けな顔で口を開けている俺の代わりに、エルーシアとミヤノが喜びを語ってくれた。
俺、驚くととりあえず無言になる癖あるよね。
この癖、何とかしたい。
「…大丈夫かルトリア。そのぽかーん顔はどうした」
そしてこんなとき、俺を正気に戻してくれるのはルクシーである。
「あ、はい…。大丈夫です…」
「ちゃんと現実分かってるか?」
「分かってますよ…。今日の夕飯のメニューを素パスタにするんでしょう?」
「全然分かってないじゃないかお前。あといい加減素パスタ以外のものを食え」
食べてるよちゃんと。缶詰とかさ。カット野菜とか。
で…夕飯のメニューの話じゃないって?
「全国五都市でライブツアーだそうだ。分かったか?」
「…」
俺は、ルクシーに言われたことを頭の中で、もう一度ゆっくり復唱した。
全国…。
五都市で…。
…ライブツアー。
…ほほう。分かったぞ。
素パスタ…ではないな。
…。
「…ってそれ、凄いことじゃないですか!」
「気づいたのは今か。さっきからそう言ってるだろ」
全国五都市でツアーなんて。そんなこと、俺達がやっても良いの?
「まるで…まるでバンドのようなことをやってますね。凄くないですか?」
「いや、俺達バンドだから…。何のつもりだったんだお前?」
何のつもりだったんだろうね。自分でも分かんないや。
とにかく、今俺達にとんでもなく大きな仕事が舞い込んできたことだけは分かった。
そりゃ、ユーリアナさんも興奮するはずである。
「皆さん、朗報ですよ!ルティス帝国五都市で、全国ツアーが決まりました!」
いつになく興奮したユーリアナさんが、鼻息荒くそう言ったとき。
俺は、思わずぽかんとしてしまった。
…何だって。
「うぉー!マジか!やったな!」
「あぁ。凄いことだぞ、これは」
間抜けな顔で口を開けている俺の代わりに、エルーシアとミヤノが喜びを語ってくれた。
俺、驚くととりあえず無言になる癖あるよね。
この癖、何とかしたい。
「…大丈夫かルトリア。そのぽかーん顔はどうした」
そしてこんなとき、俺を正気に戻してくれるのはルクシーである。
「あ、はい…。大丈夫です…」
「ちゃんと現実分かってるか?」
「分かってますよ…。今日の夕飯のメニューを素パスタにするんでしょう?」
「全然分かってないじゃないかお前。あといい加減素パスタ以外のものを食え」
食べてるよちゃんと。缶詰とかさ。カット野菜とか。
で…夕飯のメニューの話じゃないって?
「全国五都市でライブツアーだそうだ。分かったか?」
「…」
俺は、ルクシーに言われたことを頭の中で、もう一度ゆっくり復唱した。
全国…。
五都市で…。
…ライブツアー。
…ほほう。分かったぞ。
素パスタ…ではないな。
…。
「…ってそれ、凄いことじゃないですか!」
「気づいたのは今か。さっきからそう言ってるだろ」
全国五都市でツアーなんて。そんなこと、俺達がやっても良いの?
「まるで…まるでバンドのようなことをやってますね。凄くないですか?」
「いや、俺達バンドだから…。何のつもりだったんだお前?」
何のつもりだったんだろうね。自分でも分かんないや。
とにかく、今俺達にとんでもなく大きな仕事が舞い込んできたことだけは分かった。
そりゃ、ユーリアナさんも興奮するはずである。


