Music of Frontier

元々、学生寮では居場所がなかった。

嫌がらせは相変わらず、しつこく続いていた。

それどころか、カンニング事件で余計に調子づいたらしく、先輩達の嫌がらせは段々とエスカレートしていった。

その上、カンニング事件のせいでクラスでも孤立するようになった。

友人であったはずのエミスキーやラトベルからも見離され、イーリアは俺にカンニング疑惑を吹っ掛けた張本人と来た。

教官達も、俺がカンニングしたらしいと聞いて、俺に冷たく当たるようになっていた。

カンニング疑惑がかかる前は、あれだけ皆ちやほやしてたというのに。

勝手なもんだ。

さすがの俺も、これはショックだった。

今までは、先輩からの嫌がらせはあったものの、学校に来れば仲間がいた。

エミスキーやラトベル、イーリアに愚痴を聞いてもらうことが出来た。

でも、今となってはそれも出来ない。

しかも、教官達がわざわざ、「お宅の息子がカンニングしたらしい」と実家にも伝えてしまったそうで。

実家からも、俺を責め立てる内容の手紙が届いていた。

一応釈明はしたものの、それを両親が信じているかは甚だ疑問である。

姉さんも聞いているんだろうな。姉さんは…どう思ったのだろう。

姉からは手紙は来なかった。会って、顔を見るまでは分からない。

友達だと思っていたエミスキー達でさえ、今ではクラスメイトと一緒になって、俺を無視しているのだから。

もうこの世に、俺の味方なんて一人もいない。

そう思ってしまうほどに、俺は追い詰められていた。

学校にも、寮にも居場所がなくなった。

息が詰まって、毎日とてもしんどかった。

けれど、誰にも弱音を吐くことは出来なかった。

だって、俺の話を聞いてくれる人なんて誰もいないから。

孤独って、こんなに辛かったんだなと…俺は初めて知った。