Music of Frontier

…しゃしんしゅー…。

写真集?

「どうですか?『frontier』はルックスも売りなので、こういう仕事はいつか来ると思ってましたが…」

そうだね。

ルクシーもエルーシアも相当だけど、特にミヤノとベーシュさんは、モデル出来そうなくらい美男美女だもん。

そりゃあ、写真集の話も来るだろう。

売れる。絶対売れるよ。

「写真集か…。音楽活動ではないが…」

「どっちかと言うと、アイドルやタレントみたいな仕事だね」

まぁ…『frontier』の本職ではないよね。

俺達は音楽を売りにしているのであって、顔を売っているのではない。

「でも、これはチャンスですよ。写真集が売れれば、CDの方にも手を伸ばしてくれるでしょうし…。『frontier』を知るきっかけになると思います」

写真集の話を大きなチャンスと捉えているらしいユーリアナさん、ぐいぐい推してくる。

確かに、大きなビジネスチャンスであるには違いない。

普通に考えてみろ。

ミヤノと、ベーシュさんが表紙を飾る写真集が、本屋に並べてあったら。

『frontier』を知らなくても、こんなイケメン美女の写真集、手に取りたくなるだろ?

胸がきゅんっとするだろう?

そういうことだ。

「どうしても顔を出すのがNGだと言うなら、断りますが…。そうでないなら、やってみるべきだと思います」

「うーん…」

ミヤノは難しい顔。

あまり…乗り気ではない?

「ミヤノは、気が進みませんか?」

「顔出しNGか?ミヤーヌ」

「…いや…yourtubeの動画やアルバムのジャケットで、既に顔は出してるから…今更だけど」

うん。顔は既に出しまくってるよね。

ユーリアナさんが言った通り、『frontier』はルックスも強いからね。

「俺は構わないよ。写真集出しても…。折角のチャンスだし」

「ベーシュさんは?」

「私も良いよ。ただし…水着着てとか、下着姿でとかは嫌」

「あ、そういうのはありません。安心してください」

そっか。女の子はそういうのがあるもんな。

ベーシュさんの水着姿なんて、神々しくて写真集で見せられるようなものじゃないよ。きっと。

俺も見たことないし、見たら尊さのあまり目が溶けそうだから見ないが。

「エルーシアさんも良いですか?」

「エルはええよー。こんな顔で良いならいっくらでも見せてやる」

潔い。

で…問題は、ルクシーか。

「ルクシーは…どうします?」

「ん~…。俺は構わないけど…」

そうか…良いのか。

貴族の家だと、妄りに顔を晒すなんて家の恥!だと言われかねないが…。

エルフリィ家は、マグノリア家のように頭が堅くないのだ。

「じゃあ、決まりですね」

「…でも…良いのか?ルトリア」

「ふぇ?何がですか?」

「いや…お前、顔出すのいつも嫌がるじゃないか…。写真集は良いのか?」

「…」

「…」

「…お前、自分も写真集に出ること…ちゃんと分かってるか?」

「…は?」

俺は、その瞬間まで。

自分が写真集に出さされるなんて、思ってもみなかったのである。