Music of Frontier

『彼氏が欲しいのに出来ないんです~、どうしたら良いですか?』みたいな質問が来るとばかり。

いや、これも大事な悩みですけどね。

しかし、読み上げてしまったからには、全力でお悩みに答えなくては。

しかも俺達は二人共予備校の講師。一応、教師の端くれのようなものだ。

ここは、プライドを持って答えたい。

「担任の先生とのトラブルですか…。これは辛いですね」

「担任だものね。二者面談もあるだろうし…。余計辛いよね」

「まぁ…人間なので、相性の良し悪しは多少なりともあると思いますが…」

…やだよね。言葉のキツい先生って。

しかも成績が悪かったら馬鹿にして、良かったら睨む?

最低じゃね?その先生。

帝国騎士官学校にもいたよ、そんな先生。さすがに担任ではなかったけど。

「これはさすがに酷いね。そんな先生いたら、私も嫌いになるよ」

これにはベーシュさんも、ちょっと怒っていた。

教師の端くれとして、思うところがあるようだ。

「そうですね…。関わるなというのは無理ですから、あまり真剣に受け取らないことが必要なんじゃないでしょうか。あくまで教師なんて、たかが一年の付き合いそうですし…。むしろ反面教師にして、『あーまたつまらないことやってるよこのオバサン。私はこうはならないぞ』なんて心の中で悪態ついたり…」

…って、駄目かな?

こんなアドバイスはアリなのか?

すると、ベーシュさんも、

「それが良いと思うよ。所詮教師なんて学生が大人になる為に学ぶ、その道具でしかないんだから。こっちが利用してやるくらいの気持ちでいたら良いんだよ」

自分も教師の端くれなのに、さらりとそんなことを言ってのけた。

はー…。格好良い。

「でも、もしあんまり酷いなら、信頼出来る人に相談してみるのが良いかも」

「ですよね。『みかん箱』さん、あまり思い詰めないようにしてくださいね」

…初っぱなから結構重い相談だったんだけだ。

これで良い…のかな?