Music of Frontier

「ふぉぉ…!」

事前に、知らされていたにも関わらず。

チケット販売サイトに、『frontier』ライブチケットが売られているのを見たとき。

俺は、そんな奇怪な声が出てしまった。

…これ、大丈夫?目の錯覚とかじゃないよね?

チケットの値段は、やはり3500円。

「絶対高いですって!十分の一にしましょう!」と散々言ったのに、結局3500円。

売れるかな~…。凄く不安…。

この際一人だけでも良いので、誰か買ってください。

チケットが売れようが売れまいが、出演者側の俺達は、準備を進めなければならない。

とはいえ、俺のやるべきことはそんなに多くない。

当日の衣装は、『R&B』の方が用意してくれるそうだし。

お化粧やへアセットも、今までは自分達でやっていたけど…今回からは、プロのメイクさんや美容師さんが、わざわざ来てくれるとか。

「そんな畏れ多いこと!自分でやりますよ!」と言ったのだが。

「プロにやってもらう決まりになってるので」と押しきられた。

どうするの。こんな飾り気のない顔、いかにプロのメイクさんと言えど、絶望するんじゃないのか。

メイクさんを苦しませたくはないのだが。

せめて、寝癖だけはつけないようにしよう。