Music of Frontier

「じゃあ、一人ずつ聞いていく…。まず、ルクシーから」

…まるで、尋問を受けてるみたいな気分だな。

ルクシーの意見は知ってるから、まだ落ち着いていられるが…。

「俺は賛成だ。でも、誰か一人でも反対するならやめた方が良いと思う。皆が分裂することだけは絶対に避けたい」

ルクシーは、先日俺に言った独り言と、同じことを言った。

皆、ルクシーの意見をどう思うだろう?

「…分かった。じゃあ…ルトリアは?」

覚悟はしていたのに、いざ名前を呼ばれるとドキッとしてしまった。

「…ルクシーとあんまり変わりません。俺も賛成です。でも、何がなんでも賛成派を貫くつもりはありません。俺の一番の望みは、これからもこのメンバーで活動を続けることですから」

それが叶うのなら、俺は満足だ。

これ以上上に行けなくても構わない。でも、これより下に行くのは嫌だ。

皆と一緒にいることは、俺にとって最優先事項だ。

「分かった。エルーシアは?」

…さて、ここからだ。

ここから一人でも反対意見が出れば。

この話は、なかったことになる。

「エルは賛成だよ。その『R&B』とやらが詐欺事務所でない限りは、所属して良いと思う。折角のチャンスなんだから、生かさないのは勿体ないだろ」

…成程。エルーシアは賛成派か。

折角のチャンスなんだから、生かさないのは勿体ない。その通りだ。

こんなチャンス、喉から手が出るほど欲しがっているバンドは、いくらでもあるだろう。

そしてそのチャンスが、有り難いことに俺達のもとに舞い込んだのだから…これをフイにするのは、あまりにも勿体ない。

目の前に転がってきたダイヤを、拾わずに立ち去るのと同じことだ。

「そうか。なら…ベーシュは?」

「私も賛成。音楽で身を立てるのは、ずっと夢だったから」

ベーシュさんの答えは、いかにも簡潔だった。

でも、何より分かりやすい。

そうだろうね。ベーシュさんは…元々ソロで活動していた。

音楽に懸ける思いは、メンバー内で誰より大きいと言っても過言ではない。

そんなベーシュさんが、このチャンスを生かさない訳がない。

…ということは。

今のところ…ミヤノ以外、全員賛成派なのか。

あとは…ミヤノだけ。

ミヤノの意見を残すだけだ。