Music of Frontier

俺は今まで、他人に強制されながら生きてきた。

帝国騎士になりたくて、毎日死ぬほど訓練してたこともあるけど…あれは俺が決めたことではなかった。

生まれる前から、親が決めていたこと。

帝国騎士官学校への入学もそう。俺が決めたことじゃなくて、親がそうしろと言ったから。

その学校を退学したのも、強制されてのこと。

俺の人生はいつも、自分の意見ではなく、他人の意見によって決められていた。

だが、今回は違う。

俺は他人の意見ではなく、自分の意見で決めた。

俺は、『frontier』が音楽事務所に所属することに賛成する。

この意見が通るにせよ、通らないにせよ…後悔はしないつもりだった。

「…そうか。ルトリア…お前も成長したな」

「でしょ?もう心配して頻繁に様子見に来なくても良いですよ」

「それは駄目だ。食生活においては全く成長してないからな。お前は」

「…」

…酷くない?

全く、ってことはなくない?

昔は食べもしなかったけど、今はとりあえず、食べてはいるじゃん。

缶詰と素パスタだけど。

「…でも、美味しいでしょう?そのパンケーキ」

「あ?まぁ味は意外に美味しいけど」

ほらほら。

美味しいじゃん。馬鹿にしちゃ駄目なんだよ。

「でもそういう問題じゃない。栄養偏るだろ、缶詰じゃ」

「そんなことありませんよ。今時の缶詰は種類も豊富ですし…何より」

「何より?」

ルクシーは、忘れているようだが。

「ベーシュさんは俺以上に缶詰生活に依存してるのに、あのナイスバディですよ?」

「…」

缶詰の底恐ろしさよ。

缶詰の可能性は無限大だ。

「…屁理屈捏ねやがって、お前…。無理矢理口に肉を捩じ込むぞ」

「え、ちょ、やめ…ルクシーったら過激派」

え?あの…冗談、冗談だよね?

目が本気なんだけど。

「お前の食生活が健全になるまで、これからもしょっちゅう押し掛けてやるからな」

「既に健全ですって…」

本当、心配性なんだから。ルクシーは。