Music of Frontier

その翌日。

ルクシーが、我が家を訪ねてきた。




「あら、ルクシー…。また来たんですか」

よく来るよね。二~三日に一回は来るでしょ。

嬉しいから良いけど。

「そりゃ来るだろ。お前、放っておいたら缶詰と素パスタしか食べないんだから」

俺のせいだった。ごめんなさい。

「これ、うちの母から差し入れ。食べろってさ」

「いつもありがとうございます」

ルクシーが、ルクシーのお母さんお手製のおかずが詰まったタッパーをくれた。

ルクシーにも、ルクシーのお母さんにも、本当に頭が上がらない。

それだけ俺が、二人に心配かけてるってことなんだろうけど。

「上がってくださいよ、ルクシー。お茶と缶詰ご馳走するので」

「缶詰は要らないが、お茶はもらおうかな」

「ちゃんと美味しい缶詰ですよ…」

色々あるんだよ、缶詰って。

馬鹿にしちゃあいけない。

ベーシュさんからもらったものは、あらかた食べてしまったのだが。

お陰でいたく缶詰が気に入ったので、最近では自分で缶詰を買うようになった。

ルクシーを部屋に上げ、お湯を沸かして紅茶を淹れる。

我が家は、圧倒的紅茶派である。

コーヒーは昔から苦手だったりする。苦いから。

紅茶と、それからお茶請けに缶詰を開ける。

今日のお茶請けは、パンケーキの缶詰。

何でもあるもんだなぁ。缶詰。

「はいルクシー。お待たせました。紅茶と缶詰のパンケーキどうぞ」

「…缶詰のパンケーキって…。お前、ベーシュに洗脳され過ぎだろ…」

何でも良いんだよ。美味しければ。

缶詰良いよ。日持ちするし。便利だし。

缶詰と素パスタは独り暮らしの味方だな。

まったりと二人で座り、紅茶を啜ってパンケーキを食べながら。

自然と話題になるのは、当然あのことだった。