Music of Frontier

日にちを決め、Twittersで告知も行った。

「○日にyourtubeでライブ配信します!観てね!」と。

こうまでして、観てくれる人がいなかったら相当悲しいものがあるが。

まぁ、10人くらいは観てくれるんじゃないだろうか。多分。

二時間も俺のキモい顔面を見させられるのはさぞや辛かろうと、せめて髪だけでもと美容院に行って整えてもらうつもりだ。

すると。

本番を直前に控えたその夜、ルクシーが心配そうな顔をして、俺の部屋にやって来た。




「…ルトリア、分かってるとは思うが…」

「はい?」

「…お前、明日のライブ配信では…杖なしで二時間は無理だろう?」

「…はい」

えらく心配そうな顔してると思ったら、それか。

まぁ…俺も一応覚悟はしていたから。

「杖持ってでるか…それとも、カウンターチェアに座って歌うか…どうする?」

今までは、30分程度のライブだから、杖なしでも何とかステージに立てたが。

一時間を越えるとなると、杖なしでは立っていられないな。さすがに。

普段は忘れてるかもしれないが、俺の足は相変わらずポンコツだから。

あのときから、ずっと。

杖つきながらステージに立つなんて、確かに恥ずかしいね。

それに、杖をついてるボーカルなんて気持ち悪いと思う人もいるよね。

観てくれる人を不快な気持ちには出来ないから…。

「座って歌いますよ。みっともないところは見せられませんから…」

座って歌うのもみっともないだろと言われれば、それまでなんだけどね。

「…そうか。分かった…。でも、無理はするなよ」

「大丈夫ですよ。座って歌うんなら楽ですし」

それに、無理しようと思ってもさせてくれないじゃん、ルクシーって。

最悪、どうしても辛かったらその場で配信中止…かな。

まぁ、心配は要らない。このポンコツな足でも、二時間無理させることくらいは出来るから。