Music of Frontier

ルクシーが励ましてくれたお陰で。

俺はそれから、全く緊張しなかった。

むしろ、いつもより広いステージと、いつもよりたくさんの観客に、思わず興奮を覚えたくらいだった。

観客席には、二週間前のライブを聴きに詰め寄せてくれた観客が、ちらほら見受けられた。

実は、人の顔を覚えるのは得意な俺である。

あ、また来てくれてるな~♪と思うと、嬉しくもなるというもの。

新規さんもたくさんいるけど、今日のライブでファンになってくれると良いな。

歌えるブスを目指し、全力で歌った結果。

幸い、帰れコールはされなかった。

むしろ大盛り上がりで、アンコールをもらった。

良かった。皆俺のこと、歌えるブスだと認識してくれたみたいだ。

「お前は顔は残念だが、歌は上手いな」という声が聞こえてくるようだ。

心からホッとした。

結果、ライブは大成功。割れんばかりの拍手に見送られ、俺達は名残惜しいステージを後にした。