Music of Frontier

…写真を撮ったり、なんちゃってサインを求めたり、握手をしたがる出待ち客の群れがようやく途切れたときには。

俺達は、げっそりと疲れ果てていた。

…慣れないこと、するもんじゃないですね。

「大丈夫か…ルトリア」

「俺のあの写真…。後に心霊写真として恐れられなきゃ良いですけど…」

「落ち着け。普通の写真だ」

いや…有り得るかと思って。

「お分かり頂けるだろうか。少女の横に、歪な顔をした男の霊が…」みたいな。

「はぁ…。疲れた…」

「そりゃあんだけ群がられたらそうなるだろ」

「ベーシュさん、ミヤノも大丈夫ですか」

ベーシュさんは美女だし、ミヤノはイケメンだ。

うっかり幽霊の俺より、遥かに人気者だったはず。

「あぁ、なんとかな」

「びっくりしたね」

さすがイケメンと美女。汗をかいた姿も爽やかで美しい。

しかしあの女の子達、何でベーシュさんやミヤノじゃなくて俺だったんだろう。

あっ、転売か。まさか転売なのか?

売っても100円にもならないぞ。やめておけ。

「ふぅ…。もう疲れ、」

「あのー…」

「はい?」

もうお客さんは全員ハケたと思ったのに、まだ女の子が一人残っていた。

高校生か、大学生くらいの女の子。