Music of Frontier

ライブハウスに辿り着くと。

成程、いつもは静かなのに、今日は騒がしかった。

何故か多くの人が、この近辺に集まっているようだ。

俺とベーシュさんは、人目につかない裏口から入ったので、彼らが何でこの辺りに集まっているのか、その理由までは分からなかったが。

こそこそと裏口からライブハウスに入ると、焦った様子のルクシー、ミヤノ、エルーシアが待っていた。

「あ、ルクシー、皆さん。お待たせしました」

「ルトリア…!それにベーシュ」

皆、もう来て待ってたんだね。

「それで、一体どんな事故があったんですか?」

「は?」

「まさか殺人事件…じゃないですよね?火事とか?それとも、交通事故?」

人死にが出ていなければ良いが。

もしそんな深刻な事故、事件があったのなら、今日のライブは自粛した方が良いのかもしれない。

さすがに不謹慎だ。

しかし。

「何言ってるんだ?ルトリア」

「へ?だって…。何か事故があったから、野次馬が来てるんでしょ?」

だから、忍者になってこそこそ入ってこいって言ったんでしょ?

あれ?

「そんなんじゃない、ルトリア。お前、一人も会わなかったのか」

「会う…?何に?誰に?」

「ルトリアとベーシュは裏口から入ったからな。それで免れたんだろう」

「エル達大変だったもんな。マジで」

「あぁ」

「…??」

ルクシー、ミヤノ。それにエルーシアも…一体誰に会ったの?

大変だったって?

「一体どうしたんですか?それに、あの野次馬は…?」

「ルトリア、あれは野次馬じゃないんだ」

「…え?」

野次馬…じゃ、ない?

「じゃ、何なんですか?」

「客なんだよ。観客。ライブハウスにライブ聴きに来てくれた観客なんだ」

「!?」

何だと?

これには、俺もびっくりであった。

何だか騒がしいなと思ったら、この近くの何処かで事故があったのではなく、騒がしいのはこのライブハウス?

どうしたと言うんだ。

いつもなら、良くて数十人ほどしか入らないというのに。

今日はざっと見ただけで、百人は軽く越えてる。

「当然入りきらなくてな、観客席は満杯。立ち見も大勢出てる」

「そ、それでこんなに騒がしかったんですか?」

入りきらない人がライブハウスにひしめき合ってると。なんてことだ。

「親戚も驚いてたよ。こんなこと初めてだって」

と、ミヤノ。

そりゃそうだろう。ここはライブハウスとしては小さめで、慎ましくやってきたのだから。

むしろ、それが売りでもあったのに。

今日は一体、どうしたことだ。