Music of Frontier

結局俺はその日、「多分何かの間違い」だと思い込むことにした。

そうしないと、頭がパニックに陥るから。

誰かの陰謀か、悪戯か、皆の一時的な気の迷い。

そうに違いない。

俺はそう納得して、あまりそのことは気にしないようにした。

いつものように、予備校に行って授業を行った。

予備校の講師してて良かった。気を紛らすことが出来るから。

予備校にて、ベーシュさんとも話してみたが。

ベーシュさんは意外に冷静で、「皆あのライブ、聴いてくれてたんだね」と淡々と受け止めているようだった。

ベーシュさん、あなた楽観視が過ぎるのでは?

とはいえルクシーも同じ感じで、驚いてはいるのだけど、夢や何かの間違いだとは思ってないようだった。

いいや俺は信じない。くどいと言われようが、俺は信じないからな。

そんな都合の良い話があるか。現実は、大概いつだって俺に厳しいものだ。

上げて落とそうとしてるんだ。きっとそうに違いない。




それなのに。