Music of Frontier

「あぁ~。楽しかったですね~!」

「楽しいのは良かったけど…。お前、始まるまではあんなに緊張してた癖に」

あれ?そうだったっけ?

「もう二時間くらいやりたかったですね」

「お前の喉が持たないだろ」

喉以上に、足が持たないよね。

今は30分くらいのライブだから、杖なしでステージに立ってるが。

「いや~、エルも楽しかったぜ。観客めちゃくちゃいたし」

「あぁ。贔屓目かもしれないが、前のバンドより観客増えてないか?」

あ、それ俺も思った。

俺達の歌に惹かれて、人が集まってくれたのかなぁ。

ちょっと自意識過剰か。

きっと、ミヤノとベーシュさんが美男美女だから、近くで顔を見たかったんだよ。

「やっぱりライブって楽しいですねー。凄くテンションハイでした」

「良かったな、ルトリア」

「…安心するとお腹空きましたね」

「…終わった途端、それか」

だって。今朝は寝癖騒ぎで朝食食べられなかったし。

さっき、ミヤノのおにぎりを一つ齧ったくらい。

そりゃお腹も空くだろう。

「良いことじゃないか。今からならいくら食べても良いぞ」

「打ち上げ行こうぜ。そこの…カワウソ寿司行こう」

「打ち上げに回転寿司かよ」

「しょうがないだろ、昼間だから居酒屋開いてねーし」

「良いじゃないですかカワウソ寿司。俺今なら20皿食べますよ」

「分かった。ベーシュも、良いか?」

「うん」

よし、じゃあ早速お着替えして、化粧も落として。

皆で、カワウソ寿司に行こう。