Music of Frontier

…その日の放課後。

試験期間は終わったが、俺は例によって寮には帰りたくなかったので、真っ直ぐ図書室に向かった。

エミスキーとラトベル、イーリアの三人も誘ってみたところ。

エミスキーとラトベルは、一緒についてきてくれたが。

イーリアは寮に帰って休みたいからと、俺の誘いを断った。

別にそれは構わない。放課後をどう過ごそうと、イーリアの自由だから。

俺は特に気にせず、それじゃまた明日、とイーリアと別れて、エミスキー、ラトベルと三人で図書室に向かった。

だから、俺は寮に帰ったイーリアが誰と会ったかなんて、知るよしもなかった。

「…ちっ」

イーリアは寮の廊下を歩きながら、舌打ちを漏らした。

俺は勿論知らなかった。今回の試験…イーリアの成績が、思わしくないものであったことを。

すると。

「…なぁ、お前ルトリアのクラスメイトだろ?」

エレベーターを待つ為に立ち止まったイーリアの肩を叩く者がいた。

「…?あなたは…」

イーリアは、話しかけてきたのが三年生の先輩であることに気がついた。

そして、その先輩が俺のルームメイトであることも。

「ちょっと聞きたいことがあるんだけど、良いか?」

「…聞きたいこと…?」

そこでどんな会話が交わされたのか、俺は知るよしもない。

けれどそこで交わされた会話が、俺の未来を大きく変えることになったのは、紛れもない事実であった。