Music of Frontier

「ようやく10本ですか…。頑張りましたねー、俺達」

「あぁ、本当にな」

今のところ、俺達が投稿しているのは他人のカバー曲ばかりだが。

そろそろ、オリジナル曲も投稿する予定である。

そして。

「ライブの方も、ライブハウスと話がついた。来週の金曜日、午後八時に来てくれって」

「おぉ~…。いよいよだなー」

エルーシアの言う通り。

本当、いよいよって感じだな。

ここまで割と長かったもんな…。長い道のりだった。

いよいよ俺は、人前で生歌を披露する訳だ。

さすがに緊張するな~…。

だってそうでしょ?動画のときは、下手くそでも編集とか取り直しで何とか誤魔化せるけど。

生歌はそうは行かないよ。観客の目の前で、リアルタイムで歌うんだから。

下手くそだったら速攻でバレる。

俺の肌のシミも余裕でバレる。

そう思うと、動画よりライブの方が難易度高い気がする。

でも、こうなったからにはやるしかない。

するとここで、ミヤノから無茶ぶりが。

「ライブに合わせて、今まで練習したカバー曲に加えて、オリジナル曲の方も完成したから、皆、急で済まないが、来週までにマスターしてくれないか」

「おぉう…。それはまた急ですねぇ」

来週までって。ほぼぶっつけ本番だな。

「ごめん。これでも急いだんだけどな」

「いえいえ、大丈夫。そのくらい出来ないようでは、ボーカルを名乗る資格はないですからね」

全力で、覚えさせてもらおうじゃないか。

俺が歌詞とメロディー間違えたら悲惨だからな。

俺だけは、ちゃんと覚えなくては。

今では楽譜の読み方も完全にマスターしてあるので、問題ない。

「マジかー。エルは覚えられる自信ないから、いざとなったらその場の雰囲気でやるわ」

「適当だな、お前…」

「まぁ、エルなら即興でも上手いことやるでしょうから」

そんなに心配しなくても良かろう。

誰かが伴奏を間違えても、ボーカルの俺が歌い続けてれば何となく成功したように聴こえるよ。きっと。

ボーカルは間違えたらすぐバレるけど、伴奏は他の楽器と混じるから、バレにくいはず。多分。

「じゃ、来週の本番に備えて、各自、しっかり準備しよう」

「あぁ」

「了解~!」

俺も来週の本番までに、きちんと備えなくては。

本番当日に鼻風邪引きましたなんてことになったら、本当洒落にならないもんな。