Music of Frontier

「ルトリア、大丈夫か?」

「やばい…。やばいですよこれ。本格的に…」

試験当日の朝、俺は血眼で要点表を睨み付けていた。

こうなったら、もう一夜漬けならぬ、一朝漬けだ。

「どうしたんだ?ルトリアは」

俺が目を血走らせているのを見て、イーリアが首を傾げて近寄ってきた。

「一夜漬け失敗して寝ちゃったんだと。それで今こうなってる」

「おいおい…。大丈夫かよ…」

「大丈夫じゃないんですよ…!」

大丈夫じゃないから、今こうなってるんであって。

「もういっそ…!この要点表を見ながら試験受けたいです…!」

「いや、それカンニングだから…」

エミスキーから、非常に冷静な突っ込みが入った。

「大丈夫だって、ルトリアは普段が真面目なんだから。一夜漬けがなかったとしても赤点はナシだろ」

「赤点じゃなくても…成績下がるのは嫌じゃないですか」

「元がなまじ優秀だもんな、ルトリアは…」

他はオール5なのにアシスファルト語だけ3なんて、みっともないにもほどがある。

そんな成績表になったら、恥ずかしくてアシスファルト語の先生に顔向け出来ない。

なんとしても、良い点を取らなければ。

「まぁ、お互い頑張ろうぜ。ルトリア」

「…あい…」

何とも自信なさげに、俺は頷いた。