Music of Frontier

ちなみに…と言うほどでもないが。

俺の担当科目は、外国語。つまりアシスファルト語になった。

アシスファルト語については、第二母国語くらいには喋れるので教えるにも問題ない…つもりである。

あとは、俺の教え方が生徒達に通用するか。

それより、俺という存在が教師として通用するかである。

心臓ばくばくで教室に入ると、十数名の生徒達の視線を一身に浴びた。

あっ、心臓止まりそう。

とりあえず、スマホポチってる生徒はいない。今のところ。

壇上に立って、まず最初に何て挨拶するか考えてきた。

「え~…。と、皆さん初めまして。新任講師のルトリア・レイヴァースです。と言っても皆さんとあんまり年齢変わらないので、気楽にルトリア先生って呼んでください」

この時点でキモい、と言われたら軽く立ち直れない。

「今日から皆さんのアシスファルト語を担当します。出来るだけ分かりやすい授業を心掛けますが、何か分からないことがあったら、何でも聞いてください。どんな質問でも良いので、遠慮しないでくださいね」

とにかく、話しかけやすい講師でありたい。

たまにいるじゃん。「何でも聞いてください」とか言いながら、とてもじゃないけど気軽に質問しに行けるような雰囲気じゃない先生。

あれだけは絶対やだ。

帝国騎士官学校の先生って、すべからくそんな感じだったから。

「講師としての俺の目標は、皆さんを合格に導くのは勿論ですが、ここを卒業した後、『あぁ、あいつがアシスファルト語の担当で良かったな~』と思い出してもらえる講師になることです。皆さんと同じウブな気持ちで頑張りますので、どうぞ宜しくお願いします!」

ぺこり、と頭を下げる。

よし。完璧。

これは高評価待ったなしだなと思っていると。

手前の席にいた女の子が、好奇心に満ちた表情で手を上げた。

「先生!質問良いですか?」

「え?あ、はい」

早速?

早速授業始めちゃう?

いや、俺は構わないけど…。

あっ、そうか。きっと勉強熱心な生徒なんだ。

貴様の下らん自己紹介などどうでも良いから、はよ授業しろ、と。

そう言いたいんだな。それは申し訳ない。

と、思ったら。

「先生って、彼女とかいるんですか?」

「…ふぁっ!?」

予想外の質問過ぎて、また変な声が出た。

彼女「とか」って何?友達?

「何ですか、彼女って…。良いじゃないですか、そんなのどうでも…」

アシスファルト語の質問しようよ。

それなら何でも答えてあげるからさ。

「じゃあ、今まで付き合った数は何人ですか?」

「え、えぇ?」

付き合ったって?何と?

友達との買い物なら、何回か付き合ったことあるけど。

すると、今度は別の女の子が挙手した。

「先生の好みのタイプはどんな女の子なんですか?」

「はっ…!?」

「年下派ですか?それとも年上派?」

「恋人の髪型はロング派ですか?」

「料理下手な女の子でもアリですか?」

怒濤の質問ラッシュ。

質問何でもばっち来い、と思ってたけど。

俺が想定していたのは…あくまでもアシスファルト語の質問であって。

と言うか、この教室、何でこんなに女子率高いの?

頭の中が、疑問符だらけである。