…それから、およそ二週間後。
俺の手元には、あっさりと採用通知が届いていた。
「…随分と、トントン拍子に決まったもんだな」
これには、ルクシーも俺も拍子抜けである。
「今年から、事業拡大で生徒が増えたんだそうですよ。で、それに伴って講師の数も増やしたかったとか…」
「成程…。向こうにしてみりゃ、渡りに船だった訳か。筆記試験も良い出来だったんだろ?」
「それなりに…」
事前に、学力試験とばかりに五教科の試験問題を受けさせられることになり。
時間がなかったので、三日くらい寝る間も惜しんで勉強してみたところ。
これが非常によく解けた。やれば出来るもんだ。
結局どの科目を担当するのかについてだが、この成績なら多分どれでも大丈夫なので、人手の足りないところに入ってもらうとのこと。
一応希望は聞かれたけど、どの科目でも結構です、と言っておいた。
本当にどの科目でも良いし。
あっ、でも数学は嫌だ、って言っておくべきだったか。
だって、数学ってベーシュさんの担当と同じだよ。
絶対生徒達の間で、
「今日の数学どっちが担当かな?」
「ベアトリーシュ先生だったら良いな~」
「あ、違った。今日は野郎先生の方だったww」
「マジかよ、ついてねぇ~ww」
「全然やる気出ねぇよなw」
みたいな会話が勃発することは間違いない。
そんな会話、耳にしてしまった日には、ショックで立ち直れないぞ。
数学以外だったら、何でも良いや。
「で…。ルトリア、仕事が軌道に乗ってきたら…やっぱり、出ていくのか?」
「んー…。まぁ、そのつもりではいます」
いつまでも、ルクシーとルクシー母に頼る訳にはいかないからな。
「慣れるまでは、もう少しここに置いてもらおうと思ってますが…」
「…別に、慣れてからもうちにいて良いんだぞ。何度も言うが、お前一人を置いておくことくらい、何でもないんだから」
「分かってますよ。有り難いとも思ってます…。…でも、これは俺の我が儘です。あなたに甘えてばかりはいられませんから」
このままエルフリィ家にお世話になり続けるのは、あまりにも申し訳ない。
いつまでも居候させてもらうなんて、いたたまれないからな。
「まぁ…最近は俺が見張ってなくても食べるようになってきてるし、薬もちゃんと飲むし…。一人でも大丈夫だとは思うけどな」
「でしょ?でしょ?俺はもう一人前なんですよ」
だから何にも心配は要らないはず。
それなのに。
「調子に乗るな。良いか、お前…。一人暮らし始めてから、体重が減ったり、薬飲むのをサボったりしてみろ。無理矢理連れて帰るからな」
「え、そんな」
「誤魔化そうなんて思うなよ。俺はエインリー先生とタッグを組んでるんだからな。お前の様子が怪しくなったら、即刻エインリー先生に報告するし、エインリー先生からも俺に報告してもらう」
嘘でしょ。
二人共、俺に隠れてそんな陰湿なタッグを組んでたの?
これじゃ俺、おちおちダイエットも出来ない。
「その条件が飲めるなら、エルフリィ家を出ることを許してやる。良いな?」
「ルクシ~…」
「うるせぇ。譲らないからな。文句を言うならこの家からは出さん」
横暴。
でも、それだけ俺もルクシーに心配をかけたのだから。
ここは、うんと言っておくしかない。
「分かりましたよ~…。俺、良い子にしてます」
「宜しい」
こうなったら、俺は模範的な良い子になって、ルクシーに、「あんなに心配してたのが馬鹿みたいだな」と思わせてやる。
そのくらいの心意気で行こう。
俺の手元には、あっさりと採用通知が届いていた。
「…随分と、トントン拍子に決まったもんだな」
これには、ルクシーも俺も拍子抜けである。
「今年から、事業拡大で生徒が増えたんだそうですよ。で、それに伴って講師の数も増やしたかったとか…」
「成程…。向こうにしてみりゃ、渡りに船だった訳か。筆記試験も良い出来だったんだろ?」
「それなりに…」
事前に、学力試験とばかりに五教科の試験問題を受けさせられることになり。
時間がなかったので、三日くらい寝る間も惜しんで勉強してみたところ。
これが非常によく解けた。やれば出来るもんだ。
結局どの科目を担当するのかについてだが、この成績なら多分どれでも大丈夫なので、人手の足りないところに入ってもらうとのこと。
一応希望は聞かれたけど、どの科目でも結構です、と言っておいた。
本当にどの科目でも良いし。
あっ、でも数学は嫌だ、って言っておくべきだったか。
だって、数学ってベーシュさんの担当と同じだよ。
絶対生徒達の間で、
「今日の数学どっちが担当かな?」
「ベアトリーシュ先生だったら良いな~」
「あ、違った。今日は野郎先生の方だったww」
「マジかよ、ついてねぇ~ww」
「全然やる気出ねぇよなw」
みたいな会話が勃発することは間違いない。
そんな会話、耳にしてしまった日には、ショックで立ち直れないぞ。
数学以外だったら、何でも良いや。
「で…。ルトリア、仕事が軌道に乗ってきたら…やっぱり、出ていくのか?」
「んー…。まぁ、そのつもりではいます」
いつまでも、ルクシーとルクシー母に頼る訳にはいかないからな。
「慣れるまでは、もう少しここに置いてもらおうと思ってますが…」
「…別に、慣れてからもうちにいて良いんだぞ。何度も言うが、お前一人を置いておくことくらい、何でもないんだから」
「分かってますよ。有り難いとも思ってます…。…でも、これは俺の我が儘です。あなたに甘えてばかりはいられませんから」
このままエルフリィ家にお世話になり続けるのは、あまりにも申し訳ない。
いつまでも居候させてもらうなんて、いたたまれないからな。
「まぁ…最近は俺が見張ってなくても食べるようになってきてるし、薬もちゃんと飲むし…。一人でも大丈夫だとは思うけどな」
「でしょ?でしょ?俺はもう一人前なんですよ」
だから何にも心配は要らないはず。
それなのに。
「調子に乗るな。良いか、お前…。一人暮らし始めてから、体重が減ったり、薬飲むのをサボったりしてみろ。無理矢理連れて帰るからな」
「え、そんな」
「誤魔化そうなんて思うなよ。俺はエインリー先生とタッグを組んでるんだからな。お前の様子が怪しくなったら、即刻エインリー先生に報告するし、エインリー先生からも俺に報告してもらう」
嘘でしょ。
二人共、俺に隠れてそんな陰湿なタッグを組んでたの?
これじゃ俺、おちおちダイエットも出来ない。
「その条件が飲めるなら、エルフリィ家を出ることを許してやる。良いな?」
「ルクシ~…」
「うるせぇ。譲らないからな。文句を言うならこの家からは出さん」
横暴。
でも、それだけ俺もルクシーに心配をかけたのだから。
ここは、うんと言っておくしかない。
「分かりましたよ~…。俺、良い子にしてます」
「宜しい」
こうなったら、俺は模範的な良い子になって、ルクシーに、「あんなに心配してたのが馬鹿みたいだな」と思わせてやる。
そのくらいの心意気で行こう。


