Music of Frontier

それから数日後。

俺とルクシーで編集作業を行い、ようやく動画が完成した。

たった五分にも満たない短い動画だが、この五分に俺達の全てが詰まっているのだ。

そして、いよいよ。

「…それじゃ、投稿しますよ」

「…あぁ」

あとワンクリックで、投稿完了だ。

説明欄には、俺達『frontier』の簡単な紹介文を入れた。

あとは、これを投稿するだけ。

今の俺の心臓は、ばっくばくだった。

いよいよこのときがやって来た。俺達の曲が、歌が、世間の皆様に晒されるときが。

緊張するなと言う方が無理。

「あはは。さすがに緊張すんな~!」

「本当。ここまで長かったもんな」

「あぁ…。さすがに感慨深いよ」

古参組のエルーシア、ミヤノ、ルクシーは、しみじみとそう呟いた。

俺でさえこんなに緊張するんだもんな。長く『ダーク・エンジェルズ』としてやって来た古参組は、俺より遥かに思うことがあるだろう。

ベーシュさんだけは、いつもと変わらず平気な顔をしているけれど…彼女も、少なからず緊張しているはず。

程度の差こそあれ、思いは同じだ。

「じゃ…クリックするか」

「あぁ、やろう」

…いよいよ、だな。

「折角だから全員で押しましょう、マウス」

「おっ、良いねぇ。抜け駆けするなよ。せーので押すぞ」

「行くぞ。せーの…!」

カチッ。

その小さな音が、俺達『frontier』の偉大なる第一歩であった。