「何やってんの?ルトリア」
「んー?テスト勉強ですよ」
迫る中間試験の為に、その日の放課後、俺は教室に残ってテキストとノートを広げていた。
寮があんなでなければ、寮で勉強したんだけどな。
ないものねだりしても仕方ないので、俺は大人しく教室で勉強する。
今の成績を維持する為には、ちゃんと勉強しておかなくては。
「自分でノートまとめ直してるのか、凄いな」
友人のエミスキーが、俺の手元を覗き込んで感心していた。
そう。これぞ、俺流試験勉強である。
授業で取ったノートを、自分なりに改めてまとめ直す。
それも、出来るだけルーズリーフ一枚にまとまるように。
要点だけを綺麗にまとめて、それだけ見れば最低限覚えなければならないことは網羅出来るようにする。
あれもこれも覚えていたら、肝心なところを忘れてしまうからな。
こうしてまとめている間にも覚えられるし。
で、テスト直前はこれだけをよく見返して、本番に臨む。
これが、俺のいつものスタイルであった。
俺はこの方法で、トップの成績を維持している。
ただし、これはあくまで俺流のやり方なので、誰でもこのやり方が合うとは限らない。
「へぇ~。良いなぁ、便利そう。出来上がったら俺にもコピーしてよ」
ラトベルは嬉しそうにそう頼んできた。
おいおい。
「自分でやれよ、ラトベル。ルトリアがまとめたのをもらうなんて卑怯だぞ?」
エミスキーがラトベルを叱った。
「えー」
「俺は別に良いですよ。コピーしても」
そんなご大層なものでもないし。
この要点表だけを覚えたらそれで満点取れる訳でもないし。
「完成したらラトベルにも貸しましょうか?」
「いや~…。やっぱり良いよ、遠慮しとく。それはルトリアが頑張って書いたものだし…。自分でやるよ」
「そうですか」
ラトベル偉い。楽な方に流されず。
すると、イーリアが。
「じゃあ、それあれだな。ルトリア専用のカンニングペーパーみたいなもんなんだな」
特に他意もなく、彼はそう言った。
俺自身も、気にも留めない一言だった。
確かにその通りだ、と思った。
「そういうことですね。イーリアも要ります?コピーしましょうか」
「いや、良いや。俺は俺のやり方で勉強するから」
イーリアも偉い。
まぁ、そうだよな。帝国騎士官学校に入学するほどの生徒なのだから、自分なりの勉強の仕方は持っているだろう。
「にしても、次の中間試験、アシスファルト語の試験どうしようかな…」
ラトベルは深々と溜め息をついた。
あー…うん。その気持ちは分かる。
「今回のは厳しいって、先生言ってたもんな」
「赤点だった場合、放課後に補習が入るらしいじゃん」
「うわぁ…」
補習なんて。嫌過ぎる。
別に勉強するのが嫌な訳じゃない。実は俺達を担当しているアシスファルト語の先生、性格が結構キツい人で、生徒からは避けられている。
俺もあの先生は苦手だ。
しかも、よりにもよって俺が一番不得手な科目であるアシスファルト語。
赤点…はないとおもうけど、アシスファルト語で足引っ張って成績落としたくはない。
いつにも増して、頑張らなくては。
「んー?テスト勉強ですよ」
迫る中間試験の為に、その日の放課後、俺は教室に残ってテキストとノートを広げていた。
寮があんなでなければ、寮で勉強したんだけどな。
ないものねだりしても仕方ないので、俺は大人しく教室で勉強する。
今の成績を維持する為には、ちゃんと勉強しておかなくては。
「自分でノートまとめ直してるのか、凄いな」
友人のエミスキーが、俺の手元を覗き込んで感心していた。
そう。これぞ、俺流試験勉強である。
授業で取ったノートを、自分なりに改めてまとめ直す。
それも、出来るだけルーズリーフ一枚にまとまるように。
要点だけを綺麗にまとめて、それだけ見れば最低限覚えなければならないことは網羅出来るようにする。
あれもこれも覚えていたら、肝心なところを忘れてしまうからな。
こうしてまとめている間にも覚えられるし。
で、テスト直前はこれだけをよく見返して、本番に臨む。
これが、俺のいつものスタイルであった。
俺はこの方法で、トップの成績を維持している。
ただし、これはあくまで俺流のやり方なので、誰でもこのやり方が合うとは限らない。
「へぇ~。良いなぁ、便利そう。出来上がったら俺にもコピーしてよ」
ラトベルは嬉しそうにそう頼んできた。
おいおい。
「自分でやれよ、ラトベル。ルトリアがまとめたのをもらうなんて卑怯だぞ?」
エミスキーがラトベルを叱った。
「えー」
「俺は別に良いですよ。コピーしても」
そんなご大層なものでもないし。
この要点表だけを覚えたらそれで満点取れる訳でもないし。
「完成したらラトベルにも貸しましょうか?」
「いや~…。やっぱり良いよ、遠慮しとく。それはルトリアが頑張って書いたものだし…。自分でやるよ」
「そうですか」
ラトベル偉い。楽な方に流されず。
すると、イーリアが。
「じゃあ、それあれだな。ルトリア専用のカンニングペーパーみたいなもんなんだな」
特に他意もなく、彼はそう言った。
俺自身も、気にも留めない一言だった。
確かにその通りだ、と思った。
「そういうことですね。イーリアも要ります?コピーしましょうか」
「いや、良いや。俺は俺のやり方で勉強するから」
イーリアも偉い。
まぁ、そうだよな。帝国騎士官学校に入学するほどの生徒なのだから、自分なりの勉強の仕方は持っているだろう。
「にしても、次の中間試験、アシスファルト語の試験どうしようかな…」
ラトベルは深々と溜め息をついた。
あー…うん。その気持ちは分かる。
「今回のは厳しいって、先生言ってたもんな」
「赤点だった場合、放課後に補習が入るらしいじゃん」
「うわぁ…」
補習なんて。嫌過ぎる。
別に勉強するのが嫌な訳じゃない。実は俺達を担当しているアシスファルト語の先生、性格が結構キツい人で、生徒からは避けられている。
俺もあの先生は苦手だ。
しかも、よりにもよって俺が一番不得手な科目であるアシスファルト語。
赤点…はないとおもうけど、アシスファルト語で足引っ張って成績落としたくはない。
いつにも増して、頑張らなくては。


