Music of Frontier

こうして俺は、顔を出して撮影することに同意したのだが。

いくら俺が女性受けする顔をしているとはいえ、だからって素っぴんで出る訳にはいかない。

「ってか、何着て出れば良いんでしょうか…」

俺は、ルクシーに相談を持ちかけた。

撮影って、顔から上だけじゃないよね。

全身撮られる訳で。

いくら顔がましでも、着てる服が超ダサかったら、視聴者ドン引きだよね。

それなのに、ルクシーは。

「お前、面倒なこと気にするな…。そんなに自分がどう見られるか気になるか…?」

自意識過剰かお前、って思われるかもしれないけどさ。

そりゃ自意識過剰にもなるよ。

「気になりますよ!ルクシーと違って、俺はボーカルなんですよ?ボーカル!視聴者に見られて恥をかくのは、主に俺なんですからね!?」

「あ、う、うん…。そうか。そりゃそうだな…。悪かったよ」

いくらルクシーやミヤノが、格好良く決めてたとしても。

センターにいる俺がダサかったら、全部台無しなんだから。

その辺の重圧を理解して頂きたいものだ。

「どんな服着れば良いんでしょう…。ミヤノに服借りようかな…」

「変に着飾るよりは、自然体の方が良いと思うけどな」

「そうですか?まぁ…不細工が何格好つけてんだ、とか思われても嫌ですしね…」

「お前な…。もう少し自分に自信を持て」

持てないよ。自分に自信なんて。

持てた試しがありません。

「とりあえず、少しくらいは化粧した方が良いかもな」

「男なのに化粧…?」

「口紅つける訳じゃないから。それに最近じゃ、男でも化粧するのは珍しくないらしいぞ」

…そうなのかなぁ…。

女性がお洒落するのは分かるけど、男が化粧したり、派手な服で着飾るのって…何だか変な感じ。

「お前は顔が良いんだから、もう少し自信を持て」

「う~ん…」

ピンと来ないなぁ。やっぱり。

皆、俺にお世辞を言ってくれてるようにしか聞こえない。

俺の心が荒んでいるのだろうか…?