Music of Frontier

何で、ベーシュさんが般若のお面をつける必要が?

「何で…皆さんまで顔を隠すんですか?」

「お前だけ、一人で顔を隠す訳にはいかないだろ?隠すなら皆で隠した方が…」

「いや…別に俺だけで良いですよ。俺と違って、皆さんは顔出ししても恥ずかしくない…どころか、顔だけでも再生回数稼げそうなくらいなんですから」

出してた方が良いよ。むしろ。

サムネイルにイケメンと美少女がいたら、「クリックしてみようかな?」って気になるでしょ?

一方、俺みたいな顔面ブサがサムネにいたら、いくら興味が湧いても「やっぱクリックするのやめとこ」ってなるんだ。

人生そういうもんだよ。

故に、俺だけ顔を隠すつもりであった。

それなのに、いまいちミヤノと話が噛み合っていない様子。

「何だよ、それ…。つまりあれか。お前…そもそも顔出しそのものがNGなんじゃなくて、自分の顔に自信がないから出したくないってことか?」

「そりゃそうですよ…。俺だって、ルクシーやミヤノくらいイケメンだったら、顔出ししても恥ずかしくありませんよ」

別に、顔出しがNGって訳じゃない。

こんな顔で良いならいくらでも出すが、俺の顔面じゃ公共の迷惑になりかねないから、こうして覆面をつけて隠そうと…。

「なら、心配するな。ルトリア、お前はイケメンだ。『frontier』1の美男子だ。自信持って顔を出せ」

「はぁぁぁ…!?何で?ミヤノ、あなた視力は?」

「大丈夫、視力は良い方だ。自信を持て、ルトリア」

「視力が良いなら、ミヤノ、あなたは特殊性癖の持ち主ですよ…」

ブス専のタイプ?そうなんでしょう?

でなきゃ俺がイケメンだなんて、言うはずがない。

それとも何か。気を遣ってくれてるのか?

そんな必要は一ミリもないというのに。

「エル、大変です。ミヤノがブス専だという事実が判明しましたよ」

「誰がブス専だよ」

「はぁん?良いじゃん別に、ルトリーヌ。顔出せば。普通にイケメンなんだからよ」

なんてことだ。エルーシアまで。

「大変ですベーシュさん!うちのグループにはブス専が二人も!」

「ルトリアは、顔整ってる方だと思うから、顔出しNGじゃないなら出した方が良いと思う」

ブス専、三人目あらわる。

どうしたら良いんだ。皆、視力が落ちているのではなかろうか。

俺は再度、鏡を見つめた。

そこには、見慣れた自分の、冴えない顔。

…これの、何処が整ってるって?

待て。まだルクシーがいる。俺の顔を昔から見慣れているルクシーなら、ちゃんと俺の顔を評価してくれるはずだ。