Music of Frontier

それから、俺はエルフリィ家にお世話になって、ルクシーやルクシー母と一緒に暮らした。

実家よりも余程居心地が良いし、ルクシーが傍にいてくれるので色々と安心…ではあったのだが。





「…うーん…」

「…?ルトリア、何見てるんだ?」

「あ、ルクシー」

何見てるって、さっきコンビニ行ったときにもらってきた、

「何だこれ。就職情報雑誌…?」

「えぇ、そうです」

たまに置いてあるよね。無料で。

あれをもらってきた。

「何でそんなもの持ってるんだ」

「いや…。俺もそろそろ独り立ちしないといけないかなって…」

「…」

…何を言ってるんだ、こいつ。みたいな顔で見ないで。

俺は、至って真面目だから。

「何だよ、独り立ちって」

「いや…だって、いつまでもエルフリィ家のお世話になる訳にはいかないじゃないですか」

「気にするなって言っただろ、そんなこと。お前の一匹や二匹…いや、二匹いたら厄介だけど…一匹くらい何でもないよ」

二匹いたら厄介なんだ。ちょっとショック。

「やっぱり厄介なんじゃないですか」

「養うのが大変って意味じゃないぞ。お前放っておくと飯食わないし、言わなきゃ薬も飲まないじゃないか」

ごめんなさい。

そうか。管理が大変って意味での厄介か。

「いかに、うちが落ちぶれた下流貴族と言えど…。お前一人食客として置いておくくらい、どうってことないんだからな」

「別にそういう意味じゃないですよ。そんな風には思ってません」

それだけは、誤解しないで欲しい。

そうではなく、ただ…。

「俺の気分的な問題です。俺はもう貴族ではないし、確かにお金には困ってないですけど、だからってぼんやり養われてるのはきが咎めますから」

「…律儀な奴だな、お前は。…無理しなくて良いんだぞ」

「無理はしてませんよ。むしろこのまま、ルクシーに甘え続ける方が心苦しいです」

いくら親友だからって、いつまでも居候させてもらう訳にはいかない。

今のところ金には困っていないものの、無職ってのもどうかと思うし。

社会復帰も兼ねて、フルタイムじゃなくても時間給で週に何日かは働きたい。

「だからこう…何か良い職はないものかと思ったんですけど…」

「…けど?」

「…なかなか、見つからないものですねぇ…」

これと言って、ピンと来る求人が見つからない。

これはいかにしたものか…。