ひと通り挨拶などが終わり、皆様がお酒やお食事を楽しんでいる中、わたしは空いたお皿やグラスの片付けなどをしていた。
すると、さげてきたお皿をパーテーション裏のテーブルに置いた時、後ろに気配を感じ、ふと後ろを振り向いた。
そこには、スーツ姿の慧吾様が立っていた。
「慧吾様!」
「ねぇ、鈴。ちょっと来て。」
「えっ?!」
慧吾様はわたしの手首を掴むと歩き出し、会場の外へと出た。
「慧吾様?!どこに行くんですか?!主役が居なくなっては、パーティーの意味がありませんよ?!」
「ちょっと疲れたから部屋で休みたいんだ。」
「今日はこちらのホテルにご宿泊されるんですか?」
「うん、そうだよ。鈴は?」
「わたしは、神城家に帰宅する予定ですよ。」
「そうなの?一緒に泊まればいいのに。」
「いえいえ、わたしの部屋はありませんから。」
「鈴は、俺の部屋で寝ればいいじゃん。」
慧吾様はそう言って、わたしの手首を掴んだままエレベーターに乗り込み、グングン上へと上がっていく。
慧吾様ったら、いつからそんなことをサラッと言えるようになったの?
やはり、外国暮らしが長いとそうなるものなのかしら。
そう思っていると、エレベーターが止まり、再び慧吾様はわたしを連れて歩き出す。
そして、一つのドアの前で立ち止まると、カードキーを差し込みドアロックを解除すると、ドアを開け、「ここが俺の部屋だよ。」と言い、慧吾様はそのままわたしを部屋に入れたのだ。



