今日は、いつも僕を気にかけてくれる二組の夫婦ーー雅と美愛ちゃん、仁と葉子ちゃんを自宅に招いた。
感謝の気持ちを込めて、ささやかなランチを振る舞うことにした。といっても、作ったのはパスタとサラダだけだけど。
みんなで賑やかに食事を囲み、笑いながら箸を進める。それだけで、久しぶりに心が少しだけ軽くなった気がした。
食事のあとはリビングに移動し、コーヒーと、美愛ちゃんが作ってきてくれたシュークリームをいただく。甘い香りが部屋に広がって、ふんわりとした空気が漂う中、僕はそわそわしていた。
いつ、どのタイミングで話そうか。
圭衣ちゃんへの“最後のプロポーズ作戦”のことを。
そのために、今日はみんなを呼んだのだから。
でも、なかなか切り出せずに様子をうかがっている。
「あっ、あ、あのね……!」
突然、美愛ちゃんが立ち上がるように声を上げた。
普段はおっとりしていて控えめな彼女の、まっすぐで強い声。その不意の言葉に、全員が自然と彼女に注目する。
「あのね、大和兄さまに、聞きたいことがあるの!」
少し震える声。けれど、揺るぎない意志を感じた。
「や、大和兄さまは……、圭衣ちゃんのこと……、まだ好き?」
問いかけたあと、美愛ちゃんはじっと僕を見つめている。目は潤んでいて、それでも逃げることなく、真剣だった。
僕は、一瞬だけ言葉に詰まる。
「……、うん。今でも大好きだよ。実は……、もう一度だけ、最後のプロポーズをしようと思ってるんだ」
言ってしまえば、思ったよりもあっさりだった。美愛ちゃんのおかげで、タイミングを逃さずに済んだ。
でも、その次の瞬間。
「だったら、早くしないと……」
美愛ちゃんが、今にも泣きそうな声でぽつりと呟いた。
その小さな肩を、隣に座っていた雅がそっと抱きしめる。その動作があまりに自然で、でもどこか切実で胸がざわついた。
ふと視線を移すと、葉子ちゃんと仁も俯いている。さっきまでのあたたかな空気が、急激に重たく変わっていく。
……、え?
なんだ、この感じ。
「みんな……、僕に、何か隠してるよね?」
意を決して声を出した。静まり返る空間に、自分の声だけが浮く。
「お願いだ、はっきり言って。僕に言ってないこと、あるんでしょう?」
雅と仁は顔を見合わせたまま、どう言葉にすればいいのか迷っているようだった。
美愛ちゃんは、雅の腕の中で小さく啜り泣いている。
「……っふぅ」
葉子ちゃんが、静かに長く息を吐いた。そして、重たい空気を破るように、ゆっくりと口を開いた。
「……、実は、圭衣が」
その続きを、僕は息を呑んで待っていた。
感謝の気持ちを込めて、ささやかなランチを振る舞うことにした。といっても、作ったのはパスタとサラダだけだけど。
みんなで賑やかに食事を囲み、笑いながら箸を進める。それだけで、久しぶりに心が少しだけ軽くなった気がした。
食事のあとはリビングに移動し、コーヒーと、美愛ちゃんが作ってきてくれたシュークリームをいただく。甘い香りが部屋に広がって、ふんわりとした空気が漂う中、僕はそわそわしていた。
いつ、どのタイミングで話そうか。
圭衣ちゃんへの“最後のプロポーズ作戦”のことを。
そのために、今日はみんなを呼んだのだから。
でも、なかなか切り出せずに様子をうかがっている。
「あっ、あ、あのね……!」
突然、美愛ちゃんが立ち上がるように声を上げた。
普段はおっとりしていて控えめな彼女の、まっすぐで強い声。その不意の言葉に、全員が自然と彼女に注目する。
「あのね、大和兄さまに、聞きたいことがあるの!」
少し震える声。けれど、揺るぎない意志を感じた。
「や、大和兄さまは……、圭衣ちゃんのこと……、まだ好き?」
問いかけたあと、美愛ちゃんはじっと僕を見つめている。目は潤んでいて、それでも逃げることなく、真剣だった。
僕は、一瞬だけ言葉に詰まる。
「……、うん。今でも大好きだよ。実は……、もう一度だけ、最後のプロポーズをしようと思ってるんだ」
言ってしまえば、思ったよりもあっさりだった。美愛ちゃんのおかげで、タイミングを逃さずに済んだ。
でも、その次の瞬間。
「だったら、早くしないと……」
美愛ちゃんが、今にも泣きそうな声でぽつりと呟いた。
その小さな肩を、隣に座っていた雅がそっと抱きしめる。その動作があまりに自然で、でもどこか切実で胸がざわついた。
ふと視線を移すと、葉子ちゃんと仁も俯いている。さっきまでのあたたかな空気が、急激に重たく変わっていく。
……、え?
なんだ、この感じ。
「みんな……、僕に、何か隠してるよね?」
意を決して声を出した。静まり返る空間に、自分の声だけが浮く。
「お願いだ、はっきり言って。僕に言ってないこと、あるんでしょう?」
雅と仁は顔を見合わせたまま、どう言葉にすればいいのか迷っているようだった。
美愛ちゃんは、雅の腕の中で小さく啜り泣いている。
「……っふぅ」
葉子ちゃんが、静かに長く息を吐いた。そして、重たい空気を破るように、ゆっくりと口を開いた。
「……、実は、圭衣が」
その続きを、僕は息を呑んで待っていた。



