ふっ、そういうことか……。婚約の話も婿入りの話もダメにして、両親の期待を裏切った三十路近い可愛げのない長女はもういらないってか。
一度感じた不信感が、私の中でさらに大きくなっていく。両親を見る目も、どこか冷めたものに変わってしまった。
小さな頃から、私は“いい子”で“いいお姉ちゃま”だった。両親を困らせたくなくて、感情を飲み込んで、我慢することが当たり前になっていた。
圭衣はお姉ちゃまだから。
その言葉に、何度自分を納得させてきただろう。でも、私が本当に助けてほしかった時、そばにいてくれたのはおじいちゃまや、近所のおばちゃんたちだった。
美愛の話によれば、両親は『あの子には可哀想なことをさせた』と口にしていたらしい。
でも、それが本当なら、なぜ私には一言も謝ってくれなかったんだろう? 今になって、押し込めていた気持ちが一気に溢れ出す。
私って、妹たちみたいにちゃんと、愛されていたのかな。
もしこれが美愛だったら?
もし葉子だったら?
両親は、私と同じように彼女たちを突き放しただろうか。
大好きだったはずの両親。
だけど今は、どうしようもなく距離を取りたくなる。
結局、私って独りぼっちなんだ。大和にも、両親にも裏切られたような気持ちが消えない。ひねくれてるってわかってる。でも、止められない。
それからの私は、仕事ではピーターズファミリーの企画に専念し、プライベートでは、密かに引越し先を探しはじめた。
そして自然と葉子や美愛とも、少しずつ距離を置くようになっていた。
以前にも増して、2人は私を自宅に招いてくれる。
でも『忙しい」『疲れてる」『仕事がある』そんな理由を並べては断ってばかり。
美愛の作り置きのおかずも、最近は受け取っていない。『外食が多いから』と言い訳して。
……、本当はわかってる。会えば、泣いてしまいそうになるからだ。
慶智の王子たちにも会いたくない。
あのキラキラした世界には、今の私は似合わない。それでも葉子と美愛の幸せは、心から願ってる。
ただ、私はもうあの輪には入れない。彼女たちはそれぞれ、慶智の王子と家族になった。
そして私の実家、花村家もその“家族ぐるみ”の一員になっている。
私は……、そこには、もういられない。
一度感じた不信感が、私の中でさらに大きくなっていく。両親を見る目も、どこか冷めたものに変わってしまった。
小さな頃から、私は“いい子”で“いいお姉ちゃま”だった。両親を困らせたくなくて、感情を飲み込んで、我慢することが当たり前になっていた。
圭衣はお姉ちゃまだから。
その言葉に、何度自分を納得させてきただろう。でも、私が本当に助けてほしかった時、そばにいてくれたのはおじいちゃまや、近所のおばちゃんたちだった。
美愛の話によれば、両親は『あの子には可哀想なことをさせた』と口にしていたらしい。
でも、それが本当なら、なぜ私には一言も謝ってくれなかったんだろう? 今になって、押し込めていた気持ちが一気に溢れ出す。
私って、妹たちみたいにちゃんと、愛されていたのかな。
もしこれが美愛だったら?
もし葉子だったら?
両親は、私と同じように彼女たちを突き放しただろうか。
大好きだったはずの両親。
だけど今は、どうしようもなく距離を取りたくなる。
結局、私って独りぼっちなんだ。大和にも、両親にも裏切られたような気持ちが消えない。ひねくれてるってわかってる。でも、止められない。
それからの私は、仕事ではピーターズファミリーの企画に専念し、プライベートでは、密かに引越し先を探しはじめた。
そして自然と葉子や美愛とも、少しずつ距離を置くようになっていた。
以前にも増して、2人は私を自宅に招いてくれる。
でも『忙しい」『疲れてる」『仕事がある』そんな理由を並べては断ってばかり。
美愛の作り置きのおかずも、最近は受け取っていない。『外食が多いから』と言い訳して。
……、本当はわかってる。会えば、泣いてしまいそうになるからだ。
慶智の王子たちにも会いたくない。
あのキラキラした世界には、今の私は似合わない。それでも葉子と美愛の幸せは、心から願ってる。
ただ、私はもうあの輪には入れない。彼女たちはそれぞれ、慶智の王子と家族になった。
そして私の実家、花村家もその“家族ぐるみ”の一員になっている。
私は……、そこには、もういられない。



