婿入り希望の御曹司様とCool Beautyな彼女の結婚攻防戦〜長女圭衣の誰にも言えない3つの秘密〜花村三姉妹 圭衣と大和の物語

最初の喧嘩は、大和が一方的に不満をぶつけたことが発端だった。その後しばらく冷静になるため、彼は圭衣に連絡を取らなかった。


そんな矢先に、キラリのストーカー問題が勃発。圭衣に被害が及ばないよう、大和は一切の接触を絶った。


やがて、涼介の尽力によって問題は解決し、大和はすぐに圭衣に会おうと決意する。彼女のマンションで帰りを待っていたが、帰宅した圭衣は、大和の私物を段ボール箱に詰めていた。そして、お互いの合鍵の返却を要求し、自室にこもってしまう。


大和は何も説明できないまま、ただ圭衣の言葉に耳を傾けるしかなかった。だが、その一言で、かつて自分が彼女にしてしまったこと。話もせず、勝手に去ってしまった過去を悔やんだ。


これが4人がたどり着いた、現時点での“答え”だった。もちろん、まだお互いが抱えている秘密は、そこに含まれていない。


臆病になった大和は、自分から連絡を取る勇気を持てずにいる。一方の圭衣は、意地とプライドに縛られ、自ら歩み寄れずにいる。互いを思いやる気持ちはあるのに、素直になれないまま、心だけがすれ違っていく。


4人とも、かつて似たような苦しみを経験していたからこそ今の2人が、本当は“話さなければならない”ことがあると、痛いほどわかっていた。


けれど、それも含めて、今の2人を形づくる大切な欠片だった。


今の2人は感情的になりすぎていて、
状況を冷静に見つめることができない。


どちらと先に話し合いをすべきか。
それとも、2人を同時に呼び出すか……。


もしそんなことをすれば、2人とも仲間や妹たちに裏切られたと感じるかもしれない。
──特に、頑なになっている圭衣は。


それでも、4人は話し合った末、大和と先に向き合うことにした。