仕事部屋のクローゼットを開けて、パジャマを探す。
いつもなら、ここにある“私だけの世界”に触れるだけで、自然と元気になれたのに。ガーリーロリータのドレスも、ピーターズファミリーの人形たちも、今日は私を慰めてくれない。
ただの布。
ただの飾り。
ただの夢物語。
──そんなふうにしか見えなかった。
ため息ばかりがこぼれる。私の胸の中は、まだ彼でいっぱいだった。あの時の、大和の顔。悲しそうに目を伏せた彼の表情が、ずっと焼きついて離れない。
『前に進もう』なんて嘘。私、ちっとも前になんか進めてない。
洗面台の鏡に映ったのは……、ひどい顔だった。腫れ上がった瞼、真っ赤な鼻。化粧も取れかけて、ぐちゃぐちゃで。
「何これ……」
声に出した瞬間、涙がまたこみあげてきた。
醜いのは、顔だけじゃない。
この心だ。
嫉妬して、拗ねて、勝手に怒って、ひとりで終わらせて。
……、なのに、『許されたい』なんて、そんなこと思ってる自分が一番いや。
ねえ、私。あんたは本当に、強いお姉ちゃまでいたいの?
それとも、ただの弱虫で、臆病な女のままで終わるの?
――わからない。
本当はとっくに答えなんて出てるくせに。
怖くて向き合えないだけなんだ。私、ずるい。
いつもなら、ここにある“私だけの世界”に触れるだけで、自然と元気になれたのに。ガーリーロリータのドレスも、ピーターズファミリーの人形たちも、今日は私を慰めてくれない。
ただの布。
ただの飾り。
ただの夢物語。
──そんなふうにしか見えなかった。
ため息ばかりがこぼれる。私の胸の中は、まだ彼でいっぱいだった。あの時の、大和の顔。悲しそうに目を伏せた彼の表情が、ずっと焼きついて離れない。
『前に進もう』なんて嘘。私、ちっとも前になんか進めてない。
洗面台の鏡に映ったのは……、ひどい顔だった。腫れ上がった瞼、真っ赤な鼻。化粧も取れかけて、ぐちゃぐちゃで。
「何これ……」
声に出した瞬間、涙がまたこみあげてきた。
醜いのは、顔だけじゃない。
この心だ。
嫉妬して、拗ねて、勝手に怒って、ひとりで終わらせて。
……、なのに、『許されたい』なんて、そんなこと思ってる自分が一番いや。
ねえ、私。あんたは本当に、強いお姉ちゃまでいたいの?
それとも、ただの弱虫で、臆病な女のままで終わるの?
――わからない。
本当はとっくに答えなんて出てるくせに。
怖くて向き合えないだけなんだ。私、ずるい。



