涼介との間で最終確認を済ませた僕は、彼に工藤キラリへの連絡を依頼した。結果、来週水曜日に、サクラスクエア内にある「伊集院総合法律事務所」で話し合いの場を持つことが決まった。
いきなり法律事務所からの連絡があったと知れば、彼女も驚いただろう。だが、そんなことは僕の知ったことではない。
「とっとと、この女の始末をしよう。そうすれば、おまえは圭衣ちゃんと仲直りできるだろう?」
そう言って、涼介は多忙なスケジュールの合間を縫い、この件に協力してくれた。
本当に感謝しかない。
涼介がキラリと通話している間、僕はILPとピーターズファミリークラブ、そしてキラリ以外の仲間たちに連絡を入れ、計画の実行を伝えた。
ちょうどキラリは、毎週水曜日にサクラスクエアに立ち寄る習慣がある。そのタイミングを利用することにした。
当日、7階の伊集院総合法律事務所・応接室。涼介と僕、そして工藤キラリが、コーヒーテーブルを挟んで対面していた。秘書であり、涼介の妻でもある鈴音ちゃんがコーヒーを運んでくれたが、僕の目はキラリから離せなかった。
彼女は予想に反して、弁護士も同伴せず、1人で現れた。それどころか、なぜか嬉しそうな笑みを浮かべている。
(……、なぜだ? 何がそんなに嬉しい? この女、やっぱりおかしい)
違和感を覚えつつも、涼介は落ち着いた態度で淡々と本題を切り出した。テーブルには、証拠資料が次々と並べられていく。
涼介の説明が終わったその時、応接室のドアがノックされた。
案内されたのは──キラリの両親だった。
静かに部屋へ入ってきた2人を見た瞬間、キラリの顔から笑みが消える。どこか申し訳なさそうな表情を浮かべて、彼女の両親は頭を下げた。
これが、始まりだった。
キラリにとっての──終わりの。
いきなり法律事務所からの連絡があったと知れば、彼女も驚いただろう。だが、そんなことは僕の知ったことではない。
「とっとと、この女の始末をしよう。そうすれば、おまえは圭衣ちゃんと仲直りできるだろう?」
そう言って、涼介は多忙なスケジュールの合間を縫い、この件に協力してくれた。
本当に感謝しかない。
涼介がキラリと通話している間、僕はILPとピーターズファミリークラブ、そしてキラリ以外の仲間たちに連絡を入れ、計画の実行を伝えた。
ちょうどキラリは、毎週水曜日にサクラスクエアに立ち寄る習慣がある。そのタイミングを利用することにした。
当日、7階の伊集院総合法律事務所・応接室。涼介と僕、そして工藤キラリが、コーヒーテーブルを挟んで対面していた。秘書であり、涼介の妻でもある鈴音ちゃんがコーヒーを運んでくれたが、僕の目はキラリから離せなかった。
彼女は予想に反して、弁護士も同伴せず、1人で現れた。それどころか、なぜか嬉しそうな笑みを浮かべている。
(……、なぜだ? 何がそんなに嬉しい? この女、やっぱりおかしい)
違和感を覚えつつも、涼介は落ち着いた態度で淡々と本題を切り出した。テーブルには、証拠資料が次々と並べられていく。
涼介の説明が終わったその時、応接室のドアがノックされた。
案内されたのは──キラリの両親だった。
静かに部屋へ入ってきた2人を見た瞬間、キラリの顔から笑みが消える。どこか申し訳なさそうな表情を浮かべて、彼女の両親は頭を下げた。
これが、始まりだった。
キラリにとっての──終わりの。



