婿入り希望の御曹司様とCool Beautyな彼女の結婚攻防戦〜長女圭衣の誰にも言えない3つの秘密〜花村三姉妹 圭衣と大和の物語

Bon Bonでの仕事も、一族の集まりやプライベートの調整も、これまではなんとかこなしてきたつもりだった。けれど、バーベキューの週末を境に、まともにこなせているのは仕事だけになってしまった。圭衣ちゃんとのすれ違いも、キラリの問題も、どこか噛み合わないまま時間だけが過ぎていく。


情けない話だが、今の僕は仲間や家族に支えられてばかりだ。まさか、圭衣ちゃんとの関係が、ここまで自分の内面に影響を与えるとは思ってもみなかった。


そんな僕を気遣ってくれたのか、雅が最近よく夕食に誘ってくれるようになった。あの家で美愛ちゃんが用意してくれる家庭の味はどこかほっとするし、雅は僕の話を静かに聞いて、必要な言葉をくれる。


「俺たちをもっと頼れよ。おまえはいつも、俺たちを助けてくれるんだから。今度はこっちの番だろ?」


そう言ってくれた雅の声は、まっすぐ胸に沁みた。ありがたかった。本当に、ありがたかった。


ただ……、気がかりなのは、圭衣ちゃんのことだ。


あの週末以降、会社で美愛ちゃんに会うたびに、つい圭衣ちゃんの様子を尋ねてしまっていた。最初は、元気がないとか、ちょっと疲れているみたいとか、彼女なりに教えてくれていた。でも、最近は何かを避けるように、圭衣ちゃんの話題をあえて出さないようにしているのが伝わってくる。


それが、妙に引っかかっていた。


そういえば、先週の金曜日──
美愛ちゃんは有給を取っていたはずだ。


その日、彼女に何があったのか。
そして……、圭衣ちゃんに、何が起こっているのか。


僕はまだ、知らされていないだけなのかもしれない。ただ、胸の奥でざわざわと広がる不安が、その答えを恐れている気がしてならなかった。