待ち望んでいた週末が、ようやくやってきた。西園寺家の広い庭で開かれる、Bon Bon一周年のバーベキューパーティー。青空の下、炭の焼ける音と香ばしい匂いが鼻をくすぐる。
けれど、僕の心はどこか沈んでいた。
ようやく圭衣ちゃんと再会できる──そう思っていた。ちゃんと、言葉にして謝りたかった。あの夜、彼女の話を聞かずに飛び出したこと。電話もメッセージも、怒りに任せて無視し続けていたこと。ずっと後悔していた。ずっと、会いたかった。
六家族が揃うと、思っていた以上に賑やかになる。久々に上京してきた僕の両親も、双子の赤ちゃん──冬万と千成を抱いては、目を細めていた。
でも、どんなに人がいても、彼女の姿だけが、どこにもなかった。
葉子ちゃんに訊いてみた。美愛ちゃんにも、同じことを訊いた。
『仕事で来られないって』
──そう返されて、僕は静かに息をのんだ。
“仕事”──その言葉の裏にある、彼女の沈黙を、僕は知っている。
乗り気でないとき、心に距離を置きたいとき。彼女はいつも“仕事”を盾にする。
……、だから、これは口実だ。そう、確信した。
葉子ちゃんは、僕の目をじっと見ていた。
美愛ちゃんは、何か言いかけて、唇を噛みしめた。
──きっと、2人とも気づいてる。
僕が、どれだけ後悔しているかも。
でも、それでも教えてはくれない。
彼女たちの中で、圭衣ちゃんのことは“守るべき存在”なのだ。その絆は、僕たち慶智の王子たちの結束にも似ている。
……、僕は、そんな彼女を傷つけた。
彼女の涙に背を向け、幼稚なプライドで逃げた僕が、今さらどの顔で謝れる?
──でも、それでも。
彼女の笑顔を取り戻したい。
僕に、もう一度だけ向き合ってくれるなら……、次は絶対に、逃げないから。
そう心に誓いながら、焼け焦げそうな串を見つめた。圭衣ちゃんのいないバーベキューは、どこか味気なかった。
けれど、僕の心はどこか沈んでいた。
ようやく圭衣ちゃんと再会できる──そう思っていた。ちゃんと、言葉にして謝りたかった。あの夜、彼女の話を聞かずに飛び出したこと。電話もメッセージも、怒りに任せて無視し続けていたこと。ずっと後悔していた。ずっと、会いたかった。
六家族が揃うと、思っていた以上に賑やかになる。久々に上京してきた僕の両親も、双子の赤ちゃん──冬万と千成を抱いては、目を細めていた。
でも、どんなに人がいても、彼女の姿だけが、どこにもなかった。
葉子ちゃんに訊いてみた。美愛ちゃんにも、同じことを訊いた。
『仕事で来られないって』
──そう返されて、僕は静かに息をのんだ。
“仕事”──その言葉の裏にある、彼女の沈黙を、僕は知っている。
乗り気でないとき、心に距離を置きたいとき。彼女はいつも“仕事”を盾にする。
……、だから、これは口実だ。そう、確信した。
葉子ちゃんは、僕の目をじっと見ていた。
美愛ちゃんは、何か言いかけて、唇を噛みしめた。
──きっと、2人とも気づいてる。
僕が、どれだけ後悔しているかも。
でも、それでも教えてはくれない。
彼女たちの中で、圭衣ちゃんのことは“守るべき存在”なのだ。その絆は、僕たち慶智の王子たちの結束にも似ている。
……、僕は、そんな彼女を傷つけた。
彼女の涙に背を向け、幼稚なプライドで逃げた僕が、今さらどの顔で謝れる?
──でも、それでも。
彼女の笑顔を取り戻したい。
僕に、もう一度だけ向き合ってくれるなら……、次は絶対に、逃げないから。
そう心に誓いながら、焼け焦げそうな串を見つめた。圭衣ちゃんのいないバーベキューは、どこか味気なかった。



