「それじゃあ、今から本題に入ろう。分籍のメリットとデメリットは知っている?」
「はい、調べました」
私がうなずいたその時だった。突然、美愛ちゃんが勢いよく席を立ち、声を荒げた。
「ど、どういうこと? どうして戸籍を分けるの? なんで……、そんなの、おかしいよ! あ、あのね、私も一緒に父さまと母さまに謝るから! だから、そんなことしないで!」
やっぱり、妹たちは私がここに来た目的を知らされていなかったらしい。
美愛ちゃんには、きっとわからないと思う。
彼女は“あのふたり”に心から望まれて生まれてきた子。愛されて、育てられた子。
だから知らない。
私がどれほど、愛されたいと願って“いい子”でいようとしてきたかを。
『お姉ちゃまなんだから』
『お姉ちゃまなのに』
そんな言葉を何度聞いたことだろう。
きっと葉子も知らない。
彼女たちにとって、両親は“愛情深い存在”でしかないから。
泣くのを必死に堪えている美愛ちゃんの声が、静かな会議室に響いていた。
私は彼女の目をまっすぐに見つめた。そして、ゆっくりと諭すように、言葉を紡いだ。
できれば、こんなこと言いたくなかった。
けれどこれ以上、花村家をかき回したくないのも本音だった。
「美愛、葉子、よく聞いて。まず……、私は、あの人たちに絶対に謝らない」
その言葉に、葉子の目が見開かれたのがわかった。
私が『あの人たち』と呼んだことに。
「もうこれ以上、“いい子のお姉ちゃま”でいたくないの」
「家族なのに、おかしいよ……。父さまも母さまも、圭衣ちゃんのこと……、愛してるんだよ!」
──愛してる?
あの人たちが……?
思わず、ふっと笑ってしまった。
「はい、調べました」
私がうなずいたその時だった。突然、美愛ちゃんが勢いよく席を立ち、声を荒げた。
「ど、どういうこと? どうして戸籍を分けるの? なんで……、そんなの、おかしいよ! あ、あのね、私も一緒に父さまと母さまに謝るから! だから、そんなことしないで!」
やっぱり、妹たちは私がここに来た目的を知らされていなかったらしい。
美愛ちゃんには、きっとわからないと思う。
彼女は“あのふたり”に心から望まれて生まれてきた子。愛されて、育てられた子。
だから知らない。
私がどれほど、愛されたいと願って“いい子”でいようとしてきたかを。
『お姉ちゃまなんだから』
『お姉ちゃまなのに』
そんな言葉を何度聞いたことだろう。
きっと葉子も知らない。
彼女たちにとって、両親は“愛情深い存在”でしかないから。
泣くのを必死に堪えている美愛ちゃんの声が、静かな会議室に響いていた。
私は彼女の目をまっすぐに見つめた。そして、ゆっくりと諭すように、言葉を紡いだ。
できれば、こんなこと言いたくなかった。
けれどこれ以上、花村家をかき回したくないのも本音だった。
「美愛、葉子、よく聞いて。まず……、私は、あの人たちに絶対に謝らない」
その言葉に、葉子の目が見開かれたのがわかった。
私が『あの人たち』と呼んだことに。
「もうこれ以上、“いい子のお姉ちゃま”でいたくないの」
「家族なのに、おかしいよ……。父さまも母さまも、圭衣ちゃんのこと……、愛してるんだよ!」
──愛してる?
あの人たちが……?
思わず、ふっと笑ってしまった。



